2012 Fiscal Year Annual Research Report
アネキシンA8の脱メチル化を指標とした膵癌発生・進展促進因子の網羅的探索
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23790675
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
畑 春実 昭和大学, 医学部, 助教 (00396441)
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Keywords | アネキシン / 膵癌 |
Research Abstract |
膵癌は、最難治癌の1つである。膵癌患者の予後改善には、早期診断法と新規治療法の開発が必須である。本研究は、新規癌促進遺伝子Annexin A8(ANXA8)のエピジェネティクス制御機構の破綻を指標として、膵癌発生・進展促進因子の網羅的探索を行うことで、将来の膵癌発癌予防、早期発見、予後改善につなげることを目的とする。 研究期間を通して、膵癌の悪性化におけるANXA8の機能解析を進めた。ANXA8の高発現株である膵癌細胞株(BxPC-3)にANXA8に対するsiRNAをトランスフェクションした後、MTT assay、Invasion assayを行ったところ、Caspase-3/-7の活性が上昇し、細胞増殖能、遊走能、浸潤能が有意に減少した。また、ANXA8の発現と低酸素誘導因子(HIF-1α)の発現に関連があった。これらの結果から、ANXA8が膵癌の1)増殖能、2)浸潤能、3)低栄養・低酸素環境への適応応答に寄与している可能性が示唆され、ANXA8は膵癌の悪性度を決定する重要な遺伝子であることが明らかになった。H24年度(最終年度)には、これらの結果を海外雑誌で発表した(Hata H, et al. Mol.Carcinog. in press)。 ANXA8プロモーター領域の脱メチル化作用を有する(ANXA8を発現誘導する)物質を網羅的に探索するため、内在性ANXA8プロモーターの制御下にレポーター遺伝子(Luciferase)を発現させるためのコンストラクトを作製した(H23年度)。これをANXA8の低発現株である膵癌細胞株(PANC-1)の染色体に組み込み、恒常的発現細胞株を作製した後、脱メチル化促進因子を網羅的に探索した(H24年度)。
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Research Products
(1 results)