2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS/ES血管誘導技術によるヒト血管分化機構の解析と疾患iPS研究への応用
Project/Area Number |
23790847
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曽根 正勝 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40437207)
|
Keywords | iPS細胞 / ES細胞 / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / 再生医療 / 血管生物学 |
Research Abstract |
ヒトiPS/ES細胞からの血管構成細胞の分化誘導については、これまでフィーダーフリーの分化誘導と単離技術を確立していたが、クローン間による分化誘導効率の差異が大きかったため、single cellに分散して血管細胞分化誘導を開始する分散培養誘導法を確立し、血管細胞分化誘導効率のばらつき、分化過程タイムコースのばらつきの両方の減少を認めた。 また、ヒトiPS/ES細胞から血管構成細胞に至る過程にて心血管ホルモンの発現の解析を行い、エンドセリンは血管内皮細胞にまで誘導して初めて発現する一方、アドレノメデュリン、BNPは血管前駆細胞の段階で最も強い発現を認めたることを見いだした。 血管障害疾患の疾患特異的iPS細胞研究については、脳動脈瘤を合併した多発性嚢胞腎患者において共同研究を行い、我々の手法でiPS細胞から誘導・単離した血管構成細胞を解析したところ、脳動脈瘤合併例の血管内皮細胞では、脳動脈瘤非合併例の内皮に比べ、ある酵素の発現が高いことを見出した。その差異は未分化iPS細胞同士では認められず、血管内皮細胞に分化した段階でのみ認められる変化であり、動脈瘤合併多発性嚢胞腎患者の血清中での測定においても健常人に比べその酵素の発現が高いことがわかり、診断および治療標的分子として特許出願に至った(投稿中)。また、もやもや病の疾患特異的iPS細胞でも共同研究を行い、感受性遺伝子MysterinのRNF213領域に変異のある患者と健常人では、線維芽細胞同士では差がないにもかかわらず、我々の手法で誘導した血管内皮細胞を3次元培養するとそのtube formation能に差が生じることを見いだし、その原因として細胞分裂に関わる因子を同定している(投稿中)。他にも、家族性の大動脈炎症候群患者1家系2名、先天的素因が疑われる冠攣縮性狭心症患者1名より、疾患特異的iPS細胞を樹立した。
|
-
-
[Journal Article] Human induced pluripotent stem cells differentiated into chondrogenic lineage via generation of mesenchymal progenitor cells.2013
Author(s)
Koyama N, Miura M, Nakao K, Kondo E, Fujii T, Taura D, Kanamoto N, Sone M, Yasoda A, Arai H, Bessho K, Nakao K.
-
Journal Title
Stem Cells Dev.
Volume: 22(1)
Pages: 102-13.
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-