2013 Fiscal Year Annual Research Report
血小板由来膜小胞体による血管内皮前駆細胞機能増強効果を応用した血管新生療法の開発
Project/Area Number |
23790886
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大塚 昌紀 久留米大学, 医学部, 助教 (30461429)
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Keywords | 血管新生細胞 / 血小板由来膜小胞体 / RANTES / 血管新生 |
Research Abstract |
我々の施設では重症虚血下肢を救済するべく、血管新生細胞(CAC)を応用した血管新生療法を実施しているが、その中には十分な効果が得られない例も存在する。動脈硬化危険因子がCACの細胞機能を低下させていることが原因の一つと考えられ、今後、低下したCACの細胞機能をあらかじめ回復もしくは増強させることが必要と考えられる。近年、血小板由来膜小胞体(PMP)が造血幹・前駆細胞と接着し、その細胞機能を高めたとの報告がある。本研究ではPMPがCACの血管新生能力を高めることが出来るか否かについて検討した。ヒト末梢血より採取した血小板を活性化したPMPを抽出した後、ヒト単核球細胞と一定期間の共培養を行った。PMP共培養により得られたCACの接着能は増強し、さらに下肢虚血モデルを用いたレーザードップラーでの血流評価や毛細血管密度評価でも有意な増加を認めた。分泌能評価でもRANTESを高濃度に分泌しており、またRANTES中和抗体との共培養ではPMPにより高められたCACの接着能増強効果は消失した。RANTESがCACの接着能や血管新生増強効果に関与している可能性が示唆された。PMPを用いることでCACの血管新生機能を高めることが可能であり、既存の血管新生療法の効果を増強させる新たな手段となり得る可能性がある。
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Research Products
(1 results)