2012 Fiscal Year Annual Research Report
肺サーファクタント蛋白質Aによる非感染性肺障害の炎症制御
Project/Area Number |
23790915
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
黒沼 幸治 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40563250)
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Keywords | 肺サーファクタント / 非感染性肺障害 / ブレオマイシン肺障害モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は非感染性肺障害の発症・増悪過程における肺サーファクタントの生体防御作用機序を明らかにし、さらに分子治療の可能性を追求する事である。具体的にはSP-A遺伝子欠損マウスを用いて肺サーファクタント分子の欠損が肺障害に及ぼす影響を検討し、自然免疫に関連したサイトカインや遺伝子発現変化も検証する。 前年度の肺障害モデルマウスによる検討で、SP-Aの欠損により初期の炎症増悪が認められた事から、自然免疫制御との関連が示唆された。申請時に本計画で予測した現象としてToll様受容体(TLR)を介した免疫機構への関与を今後検討した。 ラット肺胞マクロファージ細胞はブレオマイシン刺激によって炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β)を誘導した。HEK293細胞に自然免疫受容体TLR2の遺伝子を導入し、ブレオマイシンによるNF-κBの誘導を検討したところ、ブレオマイシン濃度依存性にNF-κBがゆうどうされた。分子間の結合を調べるため、ビアコアを用いてブレオマイシンとTLR2、TLR4の細胞外ドメイン(sTLR2,sTLR4)を合成した蛋白との結合を検討したところ、sTLR2とブレオマイシンの結合を確認できた。また、合成SP-AがブレオマイシンとsTLR2との結合を直接阻害しうることをELISA法を用いて確認した。 これらの結果はSP-Aが感染性病原体成分による自然免疫を制御するのみならず、肺障害をもたらす非感染性分子に対しても肺胞マクロファージ細胞による炎症性サイトカインの産生を制御し、肺の過剰な炎症を制御することにより生体防御を行っていると考えられる。
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Research Products
(1 results)