2011 Fiscal Year Research-status Report
腎疾患における抗炎症性マクロファージの誘導と治療応用
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23790964
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
藤田 恵美子 日本医科大学, 医学部, 助教 (70600617)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 糸球体腎炎 / マクロファージ / 炎症細胞 / 炎症 / 腎臓 / 病理学 |
Research Abstract |
本研究は、実験的腎疾患における抗炎症性マクロファージの誘導と機序を解明し、その応用による新しい治療法の開発を目指す。in vitroで誘導した抗炎症性マクロファージの特徴を明らかにし、実験的糸球体疾患への細胞移入によるin vivoでの進展の抑制効果を検証する。また、ヒト糸球体腎炎を含む腎疾患の疾患活動性とマクロファージの形質との関係を明らかにし、腎生検病理組織診断におけるマクロファージの形質の観察の重要性を明確にすることを目的に研究を行っている。今年度は、1) 種々のヒト糸球体腎炎での疾患活動性とマクロファージの浸潤の重要性について検討を進めた。ヒト糸球体疾患、特に糸球体腎炎を主体にマクロファージの重要性を検討した。CD68でマクロファージを同定し、CD163でM2マクロファージを、HLA DRを用いてM1マクロファージを染色している。多くの糸球体腎炎では、疾患の活動性が高度になるに従い、糸球体内皮細胞障が強くなるが、その際には糸球体内へのマクロファージ浸潤が高度であることを確認した。そのマクロファージの性質についての検討を進めている。2) In vitroでのマクロファージを誘導し、その過程でスタチンを投与し、抗炎症性マクロファージとの関連について検討を進めている。マクロファージの誘導中にスタチンを用い、また、マクロファージの誘導後にスタチンを添加した環境で培養し、誘導されたマクロファージの性質も検討している。3) ヒトの末梢血でのマクロファージの特徴を検討する目的で、日本医科大学病院での臨床研究のための実験計画書を倫理委員会に申請中で、現在、承諾されるのを待っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、実験的腎疾患における抗炎症性マクロファージの誘導と機序を解明し、その応用による新しい治療法の開発を目指す。in vitroで誘導した抗炎症性マクロファージの特徴を明らかにし、実験的糸球体疾患への細胞移入によるin vivoでの進展の抑制効果を検証する。また、ヒト糸球体腎炎を含む腎疾患の疾患活動性とマクロファージの性質との関係を明らかにし、腎生検病理組織診断におけるマクロファージの形質の観察の重要性を明確にすることを目的に研究を行っている。1) 種々のヒト糸球体腎炎での疾患活動性とマクロファージの浸潤の重要性について検討を進め、多くの糸球体腎炎では、疾患の活動性が高度になるに従い、糸球体内皮細胞障が目立ち、その際には糸球体内へのマクロファージの浸潤が高度であることを確認している。まだ症例数は十分ではないが、おおむね順調に研究は進んでいると考える。今後は症例数を増やすとともに、マクロファージの性質について検討を進める。2) In vitroでのマクロファージの誘導も検討し、in vitroで骨髄細胞からマクロファージの誘導を成功している。誘導マクロファージの性格については今後の課題である。3) ヒトの末梢血での単球/マクロファージの特徴と検討する目的で、日本医科大学病院での臨床研究のために実験計画書を倫理委員会に申請している。現在は倫理委員会の承認を待っているが、承認が得られた後は、精力的に研究を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 種々のヒト糸球体腎炎での疾患活動性とマクロファージの浸潤の重要性について検討を進めており、現在のところ症例数はまだ十分ではないが、マクロファージと疾患活動性病変との関連については結果が得られつつある。今後は症例数を増やすとともに、マクロファージの性質についても詳細に検討を進める。M2マクロファージについてはCD163が良いマーカーになる。M1マクロファージのマーカーとしてHLA DRを用いているが、それ以外の特異的なマーカーが必要である。M1の良いマーカーを確定し、M1とM2を主体に糸球体内浸潤マクロファージの性質を検討する。2) In vitroでのマクロファージの誘導についても検討している。骨髄細胞からin vitroでマクロファージの誘導も成功している。誘導中や誘導後にスタチンを使用し、その後の誘導マクロファージの性質についての検討を進める。フローサイトメトリー、western blotやreal-time PCRを用いて産生サイトカインの特徴を明らかにし、マクロファージの性質を検討する。さらに、in vitroでの誘導マクロファージを、in vivoのラット anti-GBM腎炎モデルへ投与し、腎炎抑制効果を確認する。3) ヒトの末梢血でのマクロファージの特徴を検討する目的で、日本医科大学病院での臨床研究のための実験計画書を倫理委員会に申請している。承認後は腎疾患症例の末梢血を用いて、単球/マクロファージの存在と性質を検討し、末梢血の単球/マクロファージの動態と腎生検で得られた腎臓局所での動態を比較検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究はヒト腎生検標本の炎症細胞浸潤の特徴、ヒト末梢血の炎症細胞の特徴、in vitroでのマクロファージの誘導とそのマクロファージの特徴の検討を行っている。今年度分の研究費で使用されなかった研究費(1057円)を次年度の研究費に持ち越した。次年度は、ヒト症例での検討は、腎生検を用いた診断に関連するもの以外の研究は、倫理委員会の承認後にヒト末梢血を含め検討を進める。その場合の検討方法は主にフローサイトメトリーと組織の免疫染色を用いるが、研究費はその際の各種抗体や消耗品に使用する。さらにin vitroでのマクロファージの誘導と誘導マクロファージの性質の検討を行うが、研究費はマクロファージの誘導のための培養関連消耗品やサイトカイン、マクロファージの性質の検討のためのフローサイトメトリー、western bot、ELISAやreal-time PCRの消耗品の購入に用いる。研究のための情報収集、研究会や学会の参加やそのための旅費にも使用する。また結果の解析のためのコンピュータも購入する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Renal thrombotic microangiopathy associated with chronic graft-versus-host disease after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation.2011
Author(s)
Mii A, Shimizu A, Kaneko T, Fujita E, Fukui M, Fujino T, Utsumi K, Yamaguchi H, Tajika K, Tsuchiya S, Iino Y, Katayama Y, Fukuda Y.
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Journal Title
Pathol Int
Volume: 61
Pages: 518-527
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 高度蛋白尿を呈する糖尿病腎症の特徴.2011
Author(s)
安田文彦, 清水 章, 藤田恵美子, 三井亜希子, 渡辺容子, 金子朋広, 内海甲一, 益田幸成, 飯野靖彦, 片山泰朗, 福田 悠.
Organizer
第54回日本腎臓学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2011.6.15
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