2012 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性に関与する自然免疫システムにおけるレジスチン様分子の役割の解析
Project/Area Number |
23791047
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Research Institution | 公益財団法人朝日生命成人病研究所 |
Principal Investigator |
櫛山 曉史 公益財団法人朝日生命成人病研究所, その他部局等, 准教授 (30435820)
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Keywords | インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
【背景】Resistin like molecule βはadipokineであるResistinのisoformであり、2型糖尿病モデルマウスで発現が増加することが知られるが、主にGoblet cellから腸管に分泌されるとされてきた。今回我々は、RELMβのマクロファージ(Mφ)からの分泌を見出し、そのインスリン抵抗性への関与を検討した。 【方法・結果】ヒトNASH肝及び4週間MCD食負荷したマウス肝についてRELMβの発現を検討した。ヒトおよびマウスでの正常肝内のMφ(クッパー細胞)や血管周囲結合組織内の常在MφではRELMβ陽性細胞は極めて少数であるが、ヒトNASH肝およびMCD負荷マウス肝における線維化組織への浸潤MφではRELMβの発現を認めた。 そこで、RELMβ発現のインスリン抵抗性への関与を、RELMβKOマウスを作出して検討した。KOマウスでは対照マウスに比し糖負荷試験で血糖低値であった。また、インスリン負荷試験でも血糖低値であった。 次に、Mφ由来RELMβがインスリン抵抗性の病態に直接的作用を持つか、腹腔MφおよびMφ由来細胞系列で以下の検討を行った。初代培養したKOマウス腹腔Mφでは対照マウスMφに比してLPS投与による炎症性サイトカインの発現が著しく減弱し、WHHL(渡辺高脂血症ウサギ)血清による泡沫化も減少した。in vivoでの所見と符合しており、MφにおけるRELMβ発現は炎症、泡沫化に対して直接的に作用することが示された。 また、ヒト血中、便中RELMβの測定系を構築し、2型糖尿病教育入院患者100名で測定したが、入院中に便中RELMβの低下を認めた。 【結論】RELMβはマウスおよびヒトの活性化Mφから分泌され、Mφ自身の炎症の促進や泡沫化を促進する。肝インスリン抵抗性に関与することが示唆され、また介入マーカーとなりうることが示された。
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Research Products
(13 results)