2011 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫性甲状腺疾患におけるエフェクターT細胞の機能解析研究
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23791060
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
堀江 一郎 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (30457577)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 甲状腺 / 自己免疫 / interleukin-17 / interferon-gamma / T helper type 1 (Th1) / Th17 / バセドウ病 / 橋本病 |
Research Abstract |
(1) バセドウ病モデル:入手したIFN-gamma受容体KO NODマウス(IFN-gR KO NOD)を野生型BALB/cとバッククロス中である。5回終了したが、あと2回施行してゲノムの95~98%が入れ替わるようにし、IFN-gR KO BALB/cマウスを樹立する予定である。(2) 橋本病モデル:IFN-gR KO NODマウスを野生型NOD-H2h4マウスと掛け合わせて、IFN-gR KO NOD-H2h4マウスを樹立した。このマウスを2群に分け、一方は抗CD25抗体(PC61)の腹腔内投与(500 ug/マウス)でCD4+CD25+制御性T細胞を除去し、他方はコントロール抗体で処置し、次いで両群に0.15 %ヨード含有飲料水を8週間与え、橋本病の発症を組織変化・抗サイログロブリン抗体価・脾細胞からのサイトカイン分泌等を指標として比較検討した。その結果、両群ともPC61を投与しても、橋本病は発症しなかった(甲状腺内リンパ球浸潤と抗サイログロブリン抗体価低下)。以前我々はIL-17 KO NOD-H2h4マウスは橋本病を発症しないが、PC61を投与すると発症するようになることを見出している。よって、今回のデータと合わせると、IFN-gとIL-17は共に橋本病発症に関与しているが、制御性T細胞除去による免疫増強の際はIFN-gのみで発症を誘導できる、つまり相対的にはIFN-gが橋本病病態により重要である事を示している。 同様の実験を別の制御性T細胞であるCD8+CD122+ T細胞の抗CD122抗体による除去、中和抗体による免疫抑制性接着因子PD-L1の阻害でも検討するため、抗CD122抗体・抗PD-L1抗体をhybridomaのヌードマウス腹腔内投与により産生させ、精製まで終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
橋本病モデルの実験は順調に進んでいるが、バセドウ病モデルの方が、IFN-R KO NODマウスを野生型BALB/cマウスと交配してIFN-gamma R KO BALB/cマウスを作製し免疫実験に用いる予定であったが、未だ交配が終わっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
バセドウ病の実験はマウスの作成が終わり次第、実験を開始する。橋本病実験は、次年度以降は、本年度に得られたin vivoのデータをin vitroで解析するため、in vitroでTh1, Th2, Th9, Th17細胞を作製し、マウスに投与することにより、橋本病発症を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度同様のマウス購入・飼育費などに加えて、細胞培養で用いる各種サイトカインの購入、細胞培養用試薬・消耗品に使用する予定である。
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