2013 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性甲状腺疾患におけるエフェクターT細胞の機能解析研究
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23791060
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
堀江 一郎 長崎大学, 大学病院, 助教 (30457577)
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Keywords | 甲状腺 / 自己免疫 / IL-17 / IFN-gamma / Th17 / Th1 / バセドウ病 / 橋本病 |
Research Abstract |
(I) Th1欠損マウスでの検討;(1) バセドウ病モデル:IFN-gamma受容体KO NODマウス(IFN-gammaR KO NOD)と野生型BALB/cを掛け合わせて、IFN-gammaR KO BALB/cマウスを樹立した。まずこのマウスをTSHR発現アデノウイルスで免疫して、既報通りバセドウ病が発症しないことを確認した。次に抗CD25抗体を用いて制御性T細胞を除去して免疫能を高めた状態で免疫下がやはり疾患発症には至らなかった。これより、橋本病モデルと同様に、バセドウ病においても、IFN-gamma、つまりTh1免疫反応の重要性が再確認された。(2) 橋本病モデル:別の制御性T細胞であるCD8+CD12+ T細胞の抗CD122抗体による除去、また中和抗体による免疫抑制性接着因子PD-L1の阻害の橋本病発症に及ぼす影響を検討したところ、IL-17 KO NOD-H2h4マウスでは発症したが、IFN-gammaR KO NOD-H2h4マウスでは発症しなかった。よって、前年同様Th17に比較してTh1の重要性が示された。 (II) Th1/Th17両欠損マウスでの橋本病の発症の検討: 以前作製したIL-17 KO NOD-H2h4マウスと今回作製したIFN-gammaR KO NOD-H2h4マウスから、IL-17/IFN-gammaR double KO NOD-H2h4マウスを樹立し、同様の方法で誘導したが橋本病は発症せず、新たな知見は生まれなかった。 (III) in vitro樹立抗原特異的Th1/Th2/Th9/Th17 T細胞による疾患誘導の検討:マウスT細胞を自己抗原(TSHR蛋白、或いはサイログロブリン)と樹状細胞と以下の組み合わせのサイトカインで培養し、それぞれの抗原特異的 Th1/Th2/Th9/Th17 T細胞を作製する:Th1条件:IL-12, 抗IL-4 & 抗IL-23、Th2条件:IL-4, 抗IFN-gamma & 抗IL-12、Th9条件:IL-4 & TGF-beta、Th17条件:IL-6, TGF-beta, 抗IL-4, 抗IL-12 & 抗IFN-gammaにて検討したところ、Th1の条件のみ橋本病発症が成立し、あらためて橋本病発症にはTh1が重要で、この系統の阻止によって疾患制御が可能になると考えられた。
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[Journal Article] Double deficiency in IL-17 and IFN-γ signalling significantly suppresses the development of diabetes in the NOD mouse.2013
Author(s)
Kuriya G, Uchida T, Akazawa S, Kobayashi M, Nakamura K, Satoh T, Horie I, Kawasaki E, Yamasaki H, Yu L, Iwakura Y, Sasaki H, Nagayama Y, Kawakami A, Abiru N.
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Journal Title
Diabetologia
Volume: 56
Pages: 1773-1780
DOI
Peer Reviewed
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