2011 Fiscal Year Research-status Report
未治療多発性骨髄腫の初回治療における比較効果研究に関するメタアナリシス
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23791092
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
寺澤 晃彦 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (30399597)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交流、米国 |
Research Abstract |
初回治療のネットワークメタアナリシスに関しては2011年夏までの既報に基づく予備的解析が終了した。PubMed検索から11,762人を含む40件のランダム化比較試験を評価した。MP療法を含む従来からの化学療法と比較し、大量化学療法1回法(ハザード比(HR) 0.75, 95%CrI: 0.66-0.84)、大量化学療法2回法(HR 0.55, 95% CrI: 0.42-0.70)、新規薬剤を含む治療法(HR 0.72, 95% CrI: 0.64-0.82)、新規薬剤治療を寛解導入療法に含む大量化学療法(HR 0.67, 95% CrI:0.58-0.78)の全生存が有意に改善された。大量化学療法1回と比し大量化学療法2回の方が有意な全生存の改善が示唆された(HR 0.74, 95% CrI: 0.59-0.93)が、新規薬剤を寛解導入療法に含めてもさらなる生存の改善は示されなかった。複合エンドポイントである無進行生存でも同様の傾向が示された。治療関連死のデーターは限られていたため十分な評価が不可能であった。専門家主導の臨床ガイドラインでは積極的な新規薬剤の寛解導入療法への導入が推奨されているが、予備的解析の結果からは、従来の大量化学療法と比較して新規薬剤追加によってさらに生存が有意に改善されると結論づけるには時期尚早と考えられた。 予後因子のシステマティックレビューに関しては2011年夏まででPubMedにて9,951件が検索され、抄録レベルのスクリーニングが終了しており、現在関連文献の収集中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初回治療のネットワークメタアナリシスに関しては2011年夏までの予備的解析が終了しており、今年度内のデーターアップデートおよび結果発表が十分に期待できるため。 予後因子のシステマティックレビューに関しては当初の予定では平成24年度に新規に開始予定であったが、平成23年度内に既に一次論文収集が開始されており、順調に予定を進行していけると予想されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
初回治療のネットワークメタアナリシスに関しては平成24年度は文献検索・データー抽出をアップデートし、最終解析実施、結果をまとめ学会発表および論文作成の予定である。 予後因子のシステマティックレビューに関しては平成24年度は最終的な取込み論文を同定後、予後因子ごとにデザイン、背景治療、アウトカムを網羅的に解析、各予後因子について国際病期システムを考慮した適切な統計モデルで上乗せ予後予測力が評価されているかを検討する。さらに臨床的に汎用されている染色体異常・細胞遺伝子マーカーに限定して予後予想力のメタアナリシスを行い、個々のマーカーの治療共変量連成を検討する予定である。これらが各ステップを終了次第、順次結果をまとめ学会発表および論文作成の予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大量の一次論文の入手、印刷、および整理・保存媒体購入のための経費が必要である。また、複数の共同研究者が米国(タフツ大学(ボストン・マサチューセッツ州)、南フロリダ大学(タンパ・フロリダ州))にいることから、研究内容の討議打ち合わせ用の費用が必要である。さらに、本研究の結果を国内外の学術会議で発表する旅費、学術雑誌に投稿する際の査読・出版関連費用が必要である。
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