2013 Fiscal Year Annual Research Report
早産児に対する最適かつ効果的なプロバイオティクス投与方法の確立
Project/Area Number |
23791236
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
久田 研 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10420853)
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Keywords | プロバイオティクス / 早産児 |
Research Abstract |
本研究の目的は、早産児におけるプロバイオティクスの至適投与方法を明確にすることである。平成21年度に実施した全国アンケート調査では、新生児集中治療室におけるプロバイオティクスの使用方法は多様化しており、統一されていないのが現状であった。平成23~24年度にかけて、浸透圧や生菌数を加味した至適溶解・投与方法を検討した結果、早産児の体重・日齢を考慮し、臨床的に可能な溶解・投与方法は、M16-V 1包を蒸留水4mLに溶解し、生後早期は4~8分割で投与し、経腸栄養量が1回4mL以上となる時期から一括投与する方法が至適と考えられた。この結果を基に、投与方法を上述の方法に統一したが、壊死性腸炎をはじめとする有害事象は認めていない。出生体重1500g未満の早産児を対象に、上述方法によるプロバイオティクス投与群とプロバイオティクス非投与群で、腸内細菌叢を比較検討した。その結果、投与群は非投与群に比べBifidobacteriaceaeが優勢菌となりEnterobacteriaceaeを抑制した腸内細菌叢を示していた。早産児に対するプロバイオティクスの効果は、壊死性腸炎の予防である。一般的に壊死性腸炎は出生体重1500g未満に多く、生後2週頃が好発時期である。今回の検討でプロバイオティクスは投与後も一定期間影響を及ぼすことが確認された。したがって、壊死性腸炎予防を目的としたプロバイオティクスの投与は、一部の施設で行われている生後4週間の投与期間であっても妥当と考えられた。近年、メタゲノム解析の飛躍的な発展により、疾病と腸microbiomeとの関連が指摘されている。早産児へのプロバイオティクス投与は、投与後の腸内細菌叢にも影響を及ぼすことから、壊死性腸炎のみならず、長期的な効果についても検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)