2013 Fiscal Year Research-status Report
発達障害の社会的行動障害の生物学的基盤の解明とテーラーメイド治療の開発
Project/Area Number |
23791327
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡田 俊 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (80335249)
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Keywords | 自閉症スペクトラム / 注意欠如・多動性障害 / 社会認知 / 視線 / 注意機能 / コピー数変異 |
Research Abstract |
発達障害の社会的行動障害の背景には、様々な社会認知の障害と、それに基づく意志・行動決定の障害が存在する。そして、それらの神経心理学的機能のなかには個々の発達障害に特異的な障害と、疾患を問わず共通する機能障害があると考え、前者は中間表現型として診断に有用な所見(特性指標)として、また後者は状態指標として治療選択や治療効果の判定の指標となると考えられた。発達障害以外の社会的行動障害を伴う疾患としては、統合失調症に絞って検討を行い、既に得られている患者血液の遺伝子のコピー数多型との関係を複数の英文論文として公表した。また、発達障害の機能障害の実態を多数例研究として英文論文に公表した。また、社会的認知の検討では、視線取得課題と組み合わせた実験系を開発し、そのサンプリングを継続している。なお、これまでの成果に加え、文献的検討を行い、複数の総説ないしは学会講演で紹介し、本研究の成果を社会に還元するように努めた。とりわけ、2013年5月に公表されたアメリカ精神医学会の診断と統計のマニュアル第5版(DSM-5)との関連について述べ、その妥当性と治療への影響を中心に論じ、社会的行動障害を伴う発達障害の神経基盤と治療選択との関係について一定の見解を示した。次年度は、さらにデータを集積、またその成果を公表し、これまでの成果を包括的にまとめ、発達障害の社会的行動障害の生物学的基盤と病態に応じた臨床上の対応について、一定の治療指針を示す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発達障害と精神疾患の社会的行動障害の神経生物学的基盤について、特性指標と状態指標とに区別して検討を実施し、英文論文や学会発表も含めた生かが得られている点において概ね順調に進展している。今後は、これらの多岐の成果をもとに、臨床的な対応指針をまとめるという包括的な作業が残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
データサンプリングを継続するとともに、データの公表(論文化)を進める。本研究の成果は、その最終的な成果を治療指針という臨床的な面に置いていることから、最終年度においては、得られた成果を包括的に俯瞰し、一定の指針をまとめ、社会に還元できるよう推進する予定である。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Novel rare variants in F-box protein 45 (FBXO45) in schizophrenia2014
Author(s)
Chenyao Wang, Takayoshi Koide, Hiroki Kimura, Shohko Kunimoto, Yukako Nakamura, Itaru Kushima, Masahiro Banno, Naoko Kawano, Yuto Takasaki, Jingrui Xing, Branko Aleksic, Masashi Ikeda, Takashi Okada, Tetsuya Iidaka, Toshiya Inada, Nakao Iwata, Norio Ozaki
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Journal Title
Schizophrenia Research
Volume: in print
Pages: In print
Peer Reviewed
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[Journal Article] Common variants in BCL9 gene and schizophrenia in a Japanese population: Association study, meta-analysis and cognitive function analysis2013
Author(s)
Tomoko Shiino, Takayoshi Koide, Itaru Kushima, Masashi Ikeda, Shohko Kunimoto, Yukako Nakamura, Akira Yoshimi, Branko Aleksic, Masahiro Banno, Tsutomu Kikuchi, Kunihiro Kohmura, Yasunori Adachi, Naoko Kawano, Takashi Okada, Toshiya Inada, Hiroshi Ujike, Tetsuya Iidaka, Michio Suzuki, Nakao Iwata, Norio Ozaki
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Journal Title
J Med Biochem
Volume: 32(4)
Pages: 351-357
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 摂食障害と発達障害2013
Author(s)
岡田俊
Organizer
第17回日本摂食障害学会総会
Place of Presentation
神戸市産業振興センター(神戸)
Year and Date
20131102-20131103
Invited
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