2012 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症モデルとしてのオリゴデンドロサイト障害マウスの検討
Project/Area Number |
23791348
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山内 崇平 鳥取大学, 医学部, 助教 (20550817)
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Keywords | 統合失調症 / Olig2 |
Research Abstract |
統合失調症の発症にオリゴデンドロサイトの障害が関与するかを検討するために、オリゴデンドロサイトの分化に重要なOlig2に注目した。幼若期の臨界期にのみOlig2の発現量を減弱させる下記のトランスジェニックマウスを用いた。 幼若期の臨界期に特異的にOlig2の発現量を減弱させるために、転写因子Olig2のプロモーター下流にタモキシフェン(TM)依存性Creリコンビナーゼが配置された“Olig2-CreERTMマウス”と、CAGプロモーター下流にCreリコンビナーゼ反応性配列loxPとdiphtheria toxin A(DTA)が配置された“CAG-loxP-DTAマウス”を交配させたダブルトランスジェニックマウス(Olig2発現細胞特異的細胞死誘導マウス)を用いて研究を行った。 このOlig2発現細胞特異的細胞死誘導マウスの生後7日目(P7)からP14に、タモキシフェン(100mg/kg)を1日2回腹腔内投与し、コントロール群にはPBSを腹腔内投与し、その後、P28及びP70に行動実験(オープンフィールドテスト、モリス水迷路テスト)を行った。行動実験終了後、脳を摘出し、前頭葉、海馬のオリゴデンドロサイト関連因子(MBP、Olig2、NG2、SOX10)の発現量を免疫染色法、ウェスタンブロット法により測定した。 行動実験では明らかな有意差はみられず、ウェスタンブロットにおいても有意な差を認めなかった。問題点として、本実験系においてはトランスジェニックマウスにおける組み換えが十分に起こっていない点が考えられた。今後は十分に組み換えを起こし、Olig2を減弱させる方法を検討し、再度、統合失調症とオリゴデンドロサイトの障害との関係について検討していきたいと考えている。
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