2011 Fiscal Year Research-status Report
インターネット依存に関する分子イメージングを用いた神経画像研究
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23791364
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
藤原 広臨 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (10599608)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
本研究は、インターネット依存という、現代に特有な依存に関わる神経基盤を、健常者を対象として、分子イメージングを主とする脳画像検査を用いて解明することを目的としたものである。 健常被験者を対象として、インターネット使用に関する質問紙を用いた依存の程度の評価、構造MRIおよびドーパミン神経伝達に関するPET検査を施行中であるが、平成23年度終了時点では、研究代表者の所属する放射線医学研究所にて、5例の被検者に対して実施済である。5例の被検者の画像解析も進んでいるが、統計解析のためにはサンプルサイズとして現段階では不足のため、平成24年度以降に順次実施していく予定である。 また、インターネット依存評価尺度(質問紙)を、国内外の医療機関等と共有し、本研究テーマに関する多施設での成果(機能的MRIなど、異なる画像モダリティによる結果との関連、異文化間でのインターネット依存の現状の相違点の検討など)を総括していく試みも併せて実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震災による画像検査機器の故障、実質的な操業停止等により若干の進捗遅延があったため、健常被験者のデータ収集および成果報告の完了には至っていないが、データ収集は開始されており、実施頻度としてもコンスタントである。このため、重度のインターネット依存者や精神疾患合併例での実施には至っていないが、総じて、おおむね順調に進展しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、引き続き健常被験者を対象として、質問紙によるインターネット依存尺度の評価および、MRI、PETを用いた脳画像検査を施工していく方針である。さらに、インターネット使用のヘビーユーザー(重度の依存者)の募集、うつ病等の精神疾患患者における同内容の検査を施行していく予定である。特に、精神疾患患者たる被験者の募集については、近隣の医療機関との連携を密にして実施していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ収集の進捗に伴い統計解析可能となった際には、国内外へ学会発表や論文として成果報告していく。また、国内外の他施設の研究者との交流を介して研究の進展、インターネット依存の概念の啓蒙等も行っていく。このため、本研究費はおもに、(1)旅費交通費(2)学会参加費(3)論文化のための情報収集(書籍購入など)(3)論文投稿に伴う費用等に充てていく予定である。 また、統計解析ソフトウェアや、莫大な計算量を要する画像解析法を採る場合には、大容量かつ高性能の解析専用ワークステーションや画像解析ソフトウェアの購入も考慮する。
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