2011 Fiscal Year Research-status Report
内分泌臓器に対する凍結療法の凍結解凍サイクルと至適プロトコールの検討
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23791448
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小黒 草太 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50383716)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 凍結療法 / 副腎 / 甲状腺 |
Research Abstract |
震災の影響で研究所が一時使用不能となり、予定から遅れた。23年度は豚を用いた甲状腺と副腎の実験を繰り返し行なった。23年度は豚の甲状腺と副腎に対して凍結療法を行い、凍結時、解凍時のバイタルの変化、末梢血のホルモン濃度(アルドステロン、コルチゾール、T3, T4)を測定した。副腎凍結療法後は、著しい高血圧が出現し、末梢血の副腎皮質ホルモン濃度も高値を示した。甲状腺凍結療法後は、血圧や体温などに変化なく、末梢血の甲状腺ホルモン濃度にも変化がなかった。これらの実験結果より、副腎に対して凍結療法を行う際には、末梢血へ副腎ホルモンが流出することで、急激な高血圧が生じることが分かった。また、甲状腺に対して凍結療法を行う際には、末梢血へ甲状腺ホルモンが流出することがなく血圧や体温の変化などは生じないことが分かった。いずれの実験結果も今後、実際に患者さんを治療する際に、合併症を防ぐための重要なデータとなる。実験から得られたこれらのデータを、2011年9月にドイツで行われたCIRSE2011という学会にて、演題名「Hemodynamic and hormonal changes during cryoablation of adrenal gland in swine: in vivo experimental study」発表者M. Inoue, S. Nakatsuka, H. Yashiro, S. Oguro, N. Ito, Y. Yamauchi, K. Hashimoto, K. Asakura, N. Tsukada, Y. Izumi, M. Kawamura, S. Kuribayashiで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度は東日本大震災のため、研究施設がしばらく使用できない期間があり、実験の遅れにつながった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは正常な豚の副腎、甲状腺に対して、凍結療法を行なってきたが、今後は甲状腺機能亢進した状態の豚に対して実験を行いたいと考えている。副腎に関しては論文を作成中であり、24年度中に報告する予定である。副腎に関しては、著しい高血圧が出現することから実際の治療を行うには、それに対する予防を行う必要があり、すぐに実行することは困難を伴うことが予想される。甲状腺に関しては、高血圧や熱発などの症状が出現しないことから、実際に治療を行うことが比較的容易であることが予想された。今後、甲状腺専門の医師などと連携を図って、今後の研究方針を決定する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
まず、23年度からの繰越金が少額生じた。なぜなら実験時に測定する予定であった血液サンプルの数が、実験計画段階より少ない数で終了したためである。よって23年度の繰越金と24年度以降に請求する研究費と合わせて今後の使用計画を立てることとした。24年度以降も豚に対する副腎、甲状腺の凍結療法を繰り返す予定である。また、24年度にも得られた成果を学会にて発表する予定である。
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[Presentation] Hemodynamic and hormonal changes during cryoablation of adrenal gland in swine: in vivo experimental study2011
Author(s)
M. Inoue, S. Nakatsuka, H. Yashiro, S. Oguro, N. Ito, Y. Yamauchi, K. Hashimoto, K. Asakura, N. Tsukada, Y. Izumi, M. Kawamura, S. Kuribayashi
Organizer
CIRSE 2011
Place of Presentation
Munich, Germany
Year and Date
Sep. 10-14 2011