2013 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子不安定性陽性膵癌のフレームシフト変異由来ペプチドに対する免疫応答
Project/Area Number |
23791515
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 恭穂 東北大学, 大学病院, 助教 (10375074)
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Keywords | 通常型膵癌 / マイクロサテライト不安定性 / 早期膵癌 |
Research Abstract |
前年度までの研究実績概要にも記した通り、2010年12月を起点として通常型膵癌で膵切除症例を抽出した。平成23年度は40例の膵癌症例に対して臨床病理学的所見をデータベースを用いて解析し、同時にMSI解析を行った。結果は40例ともMSS(microsatellite stable)であった。平成24年度は更に解析症例を拡大し60例の解析を行った。判定方法は5種類のマイクロサテライト領域(MSIマーカー:BAT25, BAT26, D17S250, D2S123, D5S346)プライマーを作成し上記で得られたDNAを胃型としてPCR法で増幅、それらをオートシークエンサーで解析して遺伝子配列の同定と、ピークパターンを比較してマイクロサテライト不安定性の陽陰性を判定した。判定基準は陽性マーカー数がMSS(MS stable)が0、MSI-L(MSI-Low)が1、MSI-H(MSI-High)が2以上である。いずれもMSSであった。5-10%にMSI陽性膵癌が含まれるとされるが、23年度と24年度の合計100例中全例がMSSの診断であり、次の解析に進める症例は存在しなかった。平成25年度にも症例集積・病理所見の検討を続けたが、既解析例と比較してMSI陽性を示唆する症例は存在しなかった。 平成24年度から25年度にかけて、本研究における症例・標本解析中に早期膵癌(PanIN-3:上皮内癌に相当)の症例が抽出されたため、本研究の目的である「予後が良好な膵癌」の範疇に入ると判断して病理組織を再検討し、病変の病理学的マッピングを詳細に行い、各種免疫染色を再施行、臨床所見も再検討を加えて、症例報告の形でClinical Cancer Research誌に発表した(CJG 2013, Vol6,164-168)。 なお、平成25年度には本解析で使用した100例について臨床所見・病理所見を再度詳細に検討しデータベース化した。MSI陽性症例は存在しなかったが現在並行して進行している腹水洗浄細胞診陽性症例の検討などに応用していきたいと考えている。
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Research Products
(8 results)