2011 Fiscal Year Research-status Report
miRNAによる骨軟部腫瘍の発生・進展における分子制御機構の解明
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23791627
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木村 文子 東京医科歯科大学, 硬組織疾患ゲノムセンター, 特任助教 (30597232)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 骨軟部腫瘍 |
Research Abstract |
わが国において、癌は死亡原因の1位であり、癌の罹患率は右肩上がりで増加している。癌の中でも骨軟部腫瘍は特に良悪性の診断が難しく、至適の治療の方針すら見いだせない「癌の中の難病」である。また、肺癌、前立腺癌、乳癌等は骨転移を多発する癌であり、骨転移はこれら癌の予後の決定要因であるためその克服は喫緊の課題であるが、稀少癌種である骨軟部腫瘍は、臨床研究に多大な困難を伴うためその腫瘍化の分子機構の多くは不明であり、標準治療法も確立されていない。本研究により、骨軟部腫瘍におけるmiRNAの生理的意義の解明と診断法への応用を目指す。 そこで本研究では、骨軟部腫瘍患者の切除組織標本を用いてmiRNA網羅的発現解析、CGHアレイ解析を行った。そして得られた網羅的解析を用いて、病理あるいは臨床的な悪性度との相関を検討した。その結果、疾患特異的にみられる染色体欠失を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨軟部腫瘍切除組織標本を用いて網羅的解析を行い、病理、臨床的データとの相関を検討した。以上、おおむね実施計画通り研究を遂行した。 そして検討の結果、診断に有用であると思われる染色体欠失を見出し、有用な実験結果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的解析により見出された疾患特異的にみられる染色体欠失について、さらに症例数を増やし検討する。また、その制御機構を明らかにするため骨腫瘍細胞株を用いた検討を行い、疾患関連遺伝子を同定する。 また、見出された疾患特異的にみられる染色体欠失について、骨軟部腫瘍診断への有用性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
網羅的解析にかかる試薬等に使用する。 また、分子制御機構の検討のため、細胞培養培地、血清、各種酵素の物品、消耗品の購入に使用する。
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