2012 Fiscal Year Research-status Report
miRNAによる骨軟部腫瘍の発生・進展における分子制御機構の解明
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23791627
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木村 文子 東京医科歯科大学, 硬組織疾患ゲノムセンター, 特任助教 (30597232)
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Keywords | 骨軟部腫瘍 |
Research Abstract |
わが国において、癌は死亡原因の1位であり、癌の罹患率は右肩上がりで増加している。癌の中でも骨軟部腫瘍は特に良悪性の診断が難しく、至適の治療の方針すら見いだせない「癌の中の難病」である。また、肺癌、前立腺癌、乳癌等は骨転移を多発する癌であり、骨転移はこれら癌の予後の決定要因であるためその克服は喫緊の課題であるが、腫瘍発生および骨転移の分子機構は不明な点が多い。 本研究では、骨軟部腫瘍患者の切除組織標本を用いてゲノムDNAあるいはmiRNAの発現を網羅的に解析し、腫瘍化組織で特異的にみられる異常の同定を試みる。そして、骨軟部腫瘍の発生・進展・転移におけるゲノム機能の生理的意義の統合的な理解および診断法への応用を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
悪性線維性組織球腫のゲノムコピー数を検討した結果、共通して見られるホモ欠失を同定した。この欠失領域に含まれる遺伝子について腫瘍発生への関与を症例数を増やして検討している。 また、悪性線維性組織球腫の網羅的解析から、悪性線維性組織球腫の増殖抑制に関与する遺伝子を見出した。さらに当該遺伝子の発現に関与する薬剤を用いて、腫瘍の抑制の効果があることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
悪性線維性組織球腫に共通して見られるホモ欠失について、症例数を増やして検討する。また、この領域に含まれる遺伝子について腫瘍発生への関与、またそのメカニズムを明らかにする。 悪性線維性組織球腫の増殖抑制に関与する遺伝子について、その作用機序を分子生物学的手法を用いて検討する。また、当該遺伝子の発現に関与する薬剤を用いて、マウスを用いた腫瘍抑制効果を検討し、治療への応用を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マイクロアレイ、CGHアレイ解析試薬、培養関連試薬、分子生物学的解析試薬に用いる。
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