2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791743
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相澤 直樹 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80595257)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 膀胱 / 求心性神経 |
Research Abstract |
研究A:TRPV4作用薬であるGSK1016790A(GSK)の膀胱内注入により、膀胱容量および排尿量は一過性に減少した。また、新規過活動膀胱治療薬であるβ3アドレナリン作用薬であるMirabegronは、膀胱容量・排尿量を増大させた。研究B:Capsaicin(Cap)の感受性に基づいて、Cap感受性(n=8)と非感受性(n=14)の二つのタイプのC線維があることが分かった。Cap感受性C線維において、単一求心性神経活動(SAAs)の反応性はGSKにより影響されなかったが、Cap非感受性C線維では、GSKの注入によってSAAsは有意に増大した。膀胱内に一酸化窒素(NO)のスカベンジャーであるL-NAMEを注入することにより、AδおよびC線維のSAAは有意に促進され、この両線維の反応はその後のL-Arginine(NO基質)投与により有意に抑制された。他方、L-Arginine投与後、生理食塩水注入に対するAδおよびC線維のSAAは有意に減弱した。Acroleinの膀胱内注入はAδおよびC線維のSAAを促進し、この両線維の反応はL-Arginineの前投与によって有意に抑制された。さらに、脊髄反射路を片側温存した状態で膀胱伸展刺激を加えて生じる膀胱律動性収縮並びにそれに同期して生じるSAAsに対して、L-Arginineの投与はAδとC線維両者に対して有意な抑制を示した。膀胱伸展時SAAs測定では、MirabegronはAδおよびC線維の両者の活動性を用量依存的に抑制したが、その効果はAδ線維に対する方が顕著であった。一方、膀胱律動性収縮時SAAs測定では、Mirabegronは膀胱収縮時のAδ線維の活動性を有意に抑制したが、C線維の活動性には影響を及ぼさなかった。また、Mirabegronは同時に律動性膀胱収縮の振幅および収縮幅を低下させ、収縮間隔を延長させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究AおよびBにおいて、膀胱内圧測定並びに、膀胱伸展時および律動性収縮時SAAs測定において、種々の薬物の効果を検討できた。これらの結果は学会発表および論文発表に至っている。研究Cにおいては実験系の確立をほぼ完了し、次年度は実際に実験を行う計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
過活動膀胱ならびに間質性膀胱炎に対する新規治療候補薬探索のため、今後も研究AおよびBの独創的な研究ツールを用いて、種々の薬物の排尿機能、特に求心路に及ぼす影響を検討する予定である。また、研究Cにおいて、これらの薬物が膀胱の特に尿路上皮から遊離される種々の伝達物質に及ぼす影響も検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品として700,000円、研究成果発表として400,000円を予定している。
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Research Products
(10 results)