2011 Fiscal Year Research-status Report
子宮内膜癌におけるステロイドサルファターゼ阻害剤を用いた新たな内分泌療法の確立
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23791802
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
志賀 尚美 東北大学, 大学病院, 助教 (20595558)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 子宮内膜癌 / スルファターゼ経路 / STS阻害剤 / 共培養 / 間質細胞 |
Research Abstract |
エストラジオール(E2)は子宮内膜癌の増殖促進に大きく関与している。本研究の目的は、子宮内膜癌局所のスルファターゼ経路によるE2産生機構を解明しSTS阻害剤の有用性を検討することである。これまでに子宮内膜癌細胞株(Ishikawa、RL95-2)におけるSTSのmRNA発現をReal time RT-PCRで計測した。その結果両細胞株でSTSを発現していた。特にRL95-2はIshikawaと比較して約200倍の発現を示した。ヒト検体で子宮内膜癌のSTS発現を免疫染色、活性で確認したが、細胞株においてもSTSのmRNA発現を確認でき、また細胞株によってSTSのmRNA発現に差があることがわかった。間質細胞に関しても現在9症例の初代培養を施行し酵素発現を確認した。今後、子宮内膜癌の局所環境を再現する実験においてもSTS発現が異なる細胞株を使用して、それぞれの効果の程度を判定する予定である。また、「研究実施計画」の研究テーマ4に向けて、基質の選定、STS阻害剤の濃度、適切な細胞培養期間の設定を検討すべく基礎実験を行った。子宮内膜癌細胞株はIshikawa、基質はE1SとE2、STS阻害剤はSTX64を使用した。細胞株を24時間単独培養した後(D0と設定)、基質をE1SとE2に振り分け、STX64の濃度を10-3nM,1nM,103nM の3通りに振り分けD6まで培養し、Day0、2、4、6にMTTassayで吸光度を測定した。その結果、細胞増殖はE1Sを基質とした系で、D2、4、6ともに抑制された。効果が確認された最小濃度は10-3 mol/Lであった。一方E2を基質とした系は細胞増殖抑制効果を認めなかった。以上より、E1SがSTSによってE1へ変換され、17βHSDtype1によってE2へ変換され、E2がERに結合し細胞増殖する経路をSTS阻害剤が抑制することを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年3月11日の東日本大震災により東北大学産婦人科学教室にて保管・管理していた子宮内膜細胞株、間質細胞が使用できない状態となり改めて入手、もしくは手術検体より採取、初期培養しているため当初の予定から若干遅れている。また人員面でも東日本大震災により震災後数ヶ月間研究を施行できず予定が遅れる原因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
共培養という手法を用いて生体内と同様の環境を作り、細胞増殖、アポトーシス誘導などを検討していく。さらに、エストロゲン合成酵素のノックダウンや阻害剤添加により、細胞に出現する様々な現象を観察し、治療薬の可能性を探っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額と合わせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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