2011 Fiscal Year Research-status Report
スギ花粉症初期療法が鼻粘膜ヒスタミンH1受容体発現に及ぼす効果と機序に関する研究
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23791912
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
牧瀬 高穂 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (30585120)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / スギ花粉症 / ヒスタミンH1受容体 / 鼻過敏症 |
Research Abstract |
スギ花粉症に対する治療方法の一つに初期療法がある。スギ花粉飛散開始前に治療を開始する初期療法が有効であることは周知の事実となっているが、そのメカニズムや治療開始時期については不明な点が多い。スギ花粉症を含めたアレルギー性鼻炎において、症状発現の中心的役割を担っているのは、主に肥満細胞から放出されるヒスタミンとその受容体であるヒスタミンH1受容体である。我々は、初期療法が有効である一因として鼻粘膜のヒスタミン受容体発現の変化に着目し研究を行っている。鹿児島県において、スギ花粉は1月下旬から3月下旬にかけて主に飛散する。そのため、平成24年1月から初期療法群の鼻粘膜擦過組織の採取を開始し、飛散開始後の2月上旬から飛散後治療群の鼻粘膜擦過組織の採取を開始した。スギ花粉症患者では、ヒノキ花粉症を同時に発症していることが多くみられる。そのため、ヒノキ花粉症発症の有無とヒノキ花粉症による症状増悪についても同時に検討する必要がある。鹿児島県において、ヒノキ花粉の例年の飛散時期は3月から5月上旬までである。スギ花粉症による症状発現とその増悪について、さらにヒノキ花粉症による症状増悪を加味して検討するため、経過中の鼻症状確認や鼻粘膜擦過組織採取は平成24年5月まで継続して行う予定である。採取した鼻粘膜擦過組織はすべて凍結保存しており、サンプル採取が終了した時点で、鼻粘膜擦過組織中のヒスタミンH1受容体の発現について測定する予定である。その結果を踏まえて、次年度の研究を進める計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って研究を継続中である。スギ花粉非飛散期の検討については、次年度に実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね研究実施計画にそって研究を進める予定である。スギ花粉飛散時期が年度を跨ぐため、サンプルの測定が次年度となる。そのために予算の一部を次年度へ繰り越す必要があった。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
スギ花粉の飛散時期は、例年2月から4月にかけてである。そのため、本研究におけるサンプルは年度をまたいで採取する必要があり、その後に測定や解析を行うために、前年度の研究費の一部を繰り越す必要があった。また、次年度においては研究実施計画に沿ってマウスを使用した実験などを遂行する予定である。
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