2011 Fiscal Year Research-status Report
口腔ジスキネジア発症に関わる大脳基底核ドパミン神経機構の解明
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23792133
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
池田 弘子 星薬科大学, 薬学部, 講師 (70297844)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ジスキネジア / 大脳基底核 / ドパミン / 線条体 / 側坐核 |
Research Abstract |
口腔ジスキネジアは高齢者にしばしばみられる顎顔面の不随意な運動異常であり,歯科臨床においてしばしば治療の妨げとなる。口腔ジスキネジアの発症には大脳基底核機能が深く関与することが指摘されているが,その詳細は不明である。これまでに線条体のドパミン(DA)機能亢進が口腔ジスキネジア発症に重要な役割を果たすことが示されているが、線条体のみでその発症機構を説明することは難しい。申請者らはこれまでに側坐核のDA機能も口腔ジスキネジア発症に重要な役割を果たすことを報告してきた。本研究では,側坐核shell,側坐核core,線条体腹外側部および線条体背側部のDA神経の役割ならびにその関連性について,in vivo microdialysis法を用いて解明することを目的とした。 本年度は,まず,側坐核shellとcoreとの関連性について検討した。これまでに申請者らは,側坐核shellのDA機能の亢進が口腔ジスキネジアに重要な役割を果たすことを示しているので,側坐核shellのDA機能を亢進させる目的で,側坐核shellにDA受容体アゴニスト(SKF 38393とquinpirole)を投与した。その結果,側坐核shellと同側の側坐核coreのDA量は低下した。この結果から,側坐核shellのDA機能が亢進すると側坐核coreのDA機能は低下することが明らかとなった。同様に,側坐核coreのDA機能を低下させる目的で,側坐核coreにDA受容体アンタゴニスト(cis-flupenthixol)を投与した結果,線条体腹外側部のDA量は増加した。この結果から、側坐核coreのDA機能が低下すると線条体腹外側部のDA機能は亢進することが明らかとなった。以上の結果から,側坐核shellのDA機能が亢進すると,側坐核coreのDA機能は低下し,線条体腹外側部のDA機能が亢進することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,側坐核shell,側坐核core,線条体腹外側部および線条体背側部のDA神経機構の役割ならびにその関連性について,in vivo microdialysis法を用いて解明することを目的としている。研究実績欄にも示した通り,これまでに,側坐核shellと側坐核core、側坐核coreと線条体腹外側部の関与については実験が終了しており,側坐核shellのDA機能が亢進すると,側坐核coreのDA機能は低下し,線条体腹外側部のDA機能が亢進することを明らかにしている。これらの結果から,当初の推測通り,側坐核および線条体は連動してその機能を発現することが示唆される。このように,すでに本研究の骨格をなす研究成果が得られていることから,本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のこれまでの実験成果として,すでに,側坐核shellのDA機能が亢進すると,側坐核coreのDA機能は低下し,線条体腹外側部のDA機能が亢進することを明らかにしている。そこで,今後は,まず,線条体腹外側部のDA機能が亢進した際に線条体背側部のDA機能がどう変化するかについて検討する。具体的には,線条体腹外側部にDA受容体アゴニスト(SKF 38393とquinpirole)を投与し,線条体背側部のDA量の変化をin vivo microdialysis法を用いて測定する。さらに,一連の変動が連続したものであることを確認する目的で,側坐核shellにDA受容体アゴニスト(SKF 38393とquinpirole)を投与した場合におこる線条体背側部でのDA量の変化が,線条体腹外側部にDA受容体アゴニストを投与した場合におこる変化と同様であるか確認する。すべての実験が遂行されれば、側坐核shellから側坐核core、線条体腹外側部を介して線条体背側部までDA神経機能が連動して変化し,その機能を発現すると言うことが出来る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本申請の研究はラットを用いて行う実験であり,常に同じ週齢のラットを購入し使用する必要がある。そのため3月から4月にかけて滞りなく実験を行うために,この期間のラット購入費として研究費の一部を次年度に繰り越した。 次年度に必要なものは、消耗品のみである。実験動物であるラット(約36万円)およびその飼育管理費(約6万円)、薬品費(約30万円)、microdialysis関連品費(約60万円)、脳部位確認のためのスライドガラス・カバー(約8万円)、論文投稿料(約10万円)である。
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