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2011 Fiscal Year Research-status Report

ポルフィロモナス ジンジバリスバイオフィルムの抗菌剤作用後に残存する物質の解析

Research Project

Project/Area Number 23792171
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

山口 幹代  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30523089)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywordsバイオフィルム
Research Abstract

グルコン酸クロルヘキシジン(CHX)作用後に残存する菌体外マトリックスへの新たな菌体の付着の検索については、0.2%のCHX作用後のP. gingivalis ATCC 33277株のバイオフィルムおよびコントロール群として唾液処理を施したカバーガラスチャンバー上にdiamidino-2-phenylindoleにて染色したP. gingivalis菌体を播種し、1、3、6時間培養後、共焦点レーザー顕微鏡にて観察し、画像解析ソフトを用いて再付着した菌体の体積を定量した結果、各時間ともコントロール群と比較し、CHX作用後のバイオフィルムでは新たな菌体の付着が有意に増加し、CHX作用によりバイオフィルム中の菌体が死滅しても、残存する菌体外マトリックスは新たな菌体の付着の足場となる可能性が示唆された。 CHX作用後に残存する菌体外マトリックスの成分の検討については、糖成分およびタンパク成分の含有濃度およびプロファイルについて検討した。濃度測定は、CHX作用後に残存した菌体外マトリックスを回収し、糖成分の濃度についてはアンスロン硫酸法にて、タンパク成分の濃度についてはBCA Protein Assay kitを用いて定量した。その結果、CHX作用群とコントロール群とに間に有為な差は認めなかった。プロファイルは、CHX作用後に残存した菌体外マトリックスを回収し、ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動法に供した後、糖成分をPro-Q Emerald 300 Glycoprotein Gel Stain Kitにて、タンパク成分をSYPRO Ruby Protein Gel Stain Kitにて染色した結果、CHX作用群およびコントロール群との間に明らかな相違は認められなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

グルコン酸クロルヘキシジン(CHX)作用後の菌体外マトリックスの物理・化学的剥離に対する抵抗性の検討に関しては、サンプル間の誤差が大きいため、実験方法を改良する必要がある。物理的破壊については、超音波の強度の調整、化学的剥離についてはTween20の濃度の調整を予定している。CHX作用後のDNA成分についても検討する予定である。それ以外の実験については順調に進展しており、CHX作用後にバイオフィルム中の菌体が死滅した後も菌体外マトリックスの糖成分およびタンパク成分が残存し、新たな菌体の付着の足場となることが明らかとなり、さらに残存する成分が起炎物質となる可能性が示唆された。

Strategy for Future Research Activity

今後、グルコン酸クロルヘキシジン作用後に残存した成分を分解することによる構造維持への影響について検索する。糖成分については、ジオールの開裂により糖を分解する薬剤である過ヨウ素酸ナトリウムを、タンパク成分については、ProteinaseKを、DNA成分についてはDNase IをCHX作用後の菌体外マトリックスにそれぞれ、1、3、6時間作用させ、Concanavalin A-FITCおよびWheat germ agglutinin-FITCにて菌体外マトリックス中の多糖成分を染色後、共焦点レーザー顕微鏡にて観察し、得られた画像を解析ソフトにて分析し、菌体外多糖の構造の観察および体積の定量により、残存した菌体外マトリックスの構造を維持している主成分を明らかにする。さらに、過ヨウ素酸ナトリウムにより菌体外マトリックスの構造が変化した場合は、P. gingivalis ATCC 53978株にて菌体外多糖を構成することが報告されている、ラムノース、マンノース、ガラクトース、グルコース、ならびにN-アセチルグルコサミンの分解酵素である、ラムノシダーゼ、マンノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコシダーゼ、N-アセチルグルコサミニダーゼを作用させることにより、各糖成分の分解による影響についても検討し、残存した菌体外マトリックスの構造維持に最も関与している糖成分を明らかにする予定である。さらにCHX作用後の菌体外マトリックスの超微細形態学的構造を透過型電子顕微鏡を用いて観察する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費を含め、当初予定通りの経過を進めていく。  具体的には糖成分、タンパク成分、ならびにDNA成分を分解する試薬および酵素を購入する。さらに、透過型電子顕微鏡観察のために試薬を購入する必要がある。画像解析のために、パーソナルコンピューターおよび外付けハードの購入を予定している。なお、第136回日本歯科保存学会(沖縄)、First International Conference on Porphyromonas gingivalis and Related Bacterial Species(長崎)、6th ASM Conference on Biofilms(フロリダ)にて成果発表および試料収集予定であり、旅費を計上している。また、研究成果の投稿料および英文校正費を計上している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Porphyromonas ginigvalisのバイオフィルムに対するクロルヘキシジンの影響2011

    • Author(s)
      山口幹代、野杁由一郎、久保庭雅恵、山本れいこ、前薗葉月、朝日陽子、呉本勝隆、恵比須繁之
    • Journal Title

      Bacterial Adherence & Biofilm

      Volume: Vol.25 Pages: 53~58

  • [Presentation] Porphyromonas ginigvalisのバイオフィルムに対するクロルヘキシジンの影響2011

    • Author(s)
      山口幹代、野杁由一郎、久保庭雅恵、山本れいこ、前薗葉月、朝日陽子、呉本勝隆、恵比須繁之
    • Organizer
      第25回Bacterial Adherence & Biofilm学術集会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      2011年7月8日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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