2012 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィロモナス ジンジバリスバイオフィルムの抗菌剤作用後に残存する物質の解析
Project/Area Number |
23792171
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 幹代 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30523089)
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Keywords | バイオフィルム / クロルヘキシジン / ポルフィロモナスジンジバリス |
Research Abstract |
グルコン酸クロルヘキシジンを作用させた後に残存したP. gingivalisのバイオフィルムの内部の構造を観察するため、エポキシレジンにて置換後、同樹脂にて包埋し、ウルトラミクロロームにて超薄切片を作製した後、酢酸ウラニールおよびクエン酸鉛にて2重染色を行い、透過型電子顕微鏡を用いて超微細形態学的構造を観察した。その結果、グルコン酸クロルヘキシジン作用群では、空胞化した菌体や菌体外へ溢出した菌体内容物が観察され、さらにベシクル様構造物がコントロール群と比較して多数観察され、残存バイオフィルム内部の菌体は死滅し、破壊されていることが明らかになった。 グルコン酸クロルヘキシジン作用後に残存したバイオフィルムの構造を維持している成分について検索するため、糖成分については、ジオールの開裂により糖を分解する薬剤である過ヨウ素酸ナトリウムを、タンパク成分については、ProteinaseKを、DNA成分については、DNase IをCHX作用後の菌体外マトリックスにそれぞれ6時間作用させ、残存するバイオフィルムをPBSにて懸濁後、分光光度計にて550nmで吸光度を測定した。その結果、過ヨウ素酸ナトリウム作用群では約30%、ProteinaseK作用群では70%、DNase I作用群では30%の残存バイオフィルムが除去され、ProteinaseKを作用させた場合で最も残存バイオフィルムが減少することが明らかになり、タンパク成分が残存バイオフィルムの構造維持に最も関与していることが示唆された。
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