2013 Fiscal Year Annual Research Report
イメージ連成バイオメカニクスを応用したインプラント治療における力学的安全性の保証
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23792285
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
丸山 浩美 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50359981)
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Keywords | 歯科インプラント学 |
Research Abstract |
インプラント臨床における具体的問題の中で,セメント固定された上部構造(クラウン)をマイナスドライバーによるトルク荷重でアバットメントから撤去する場面を想定し,隣在歯への影響や上部構造の効率的な撤去法を検証した.まず, SolidWorksを用いて, fixture,abutmentおよびcrown形状を作成した.次にMechanical Finderを用いてCTの撮像データから下顎右側第一大臼歯欠損の下顎骨および天然歯形状を作成し, fixture,abutmentおよびcrown形状をインポートした.その後,四面体要素にて分割した.材料特性定義のうち,皮質骨と海綿骨のヤング率については,CT値から骨密度を求め,骨密度をヤング率に換算し骨の不均質性を再現した.荷重拘束条件は,トルク荷重を模倣して50Nの分布荷重を加え,下顎骨端部を拘束した.舌側のみにトルク荷重をかけた場合(以下,舌側荷重),頬舌側同時にトルク荷重をかけた場合(以下,頬舌側同時荷重)を比較した.頬舌側同時荷重の方が,舌側荷重よりクラウンの最大変位量が小さくなるとともに,変位幅も狭くなった.皮質骨主応力の比較では,ともにインプラント頚部皮質骨に応力集中が認められたが,頬舌側同時荷重の方が局所的な引張応力の集中は回避できた.歯根膜主応力の比較では,頬舌側同時荷重の方が,第二大臼歯歯根膜に生じる応力は,引張・圧縮ともに減少した.CTの撮像データから,顎骨や歯牙の形状を抽出し,CT値を反映した骨の不均質材料特性定義を行うことにより,個々の 患者の顎骨や歯牙の形状ならびに骨質を反映した精度の高い有限要素モデル作成が可能となった.セメント固定式のインプラント上部構造を隣在歯にダメージを与えることなく,かつ容易に除去するには,頬舌側にマイナスドライバー孔を付与し,両側同時荷重で除去することが望ましいことが示唆された.
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Research Products
(1 results)