2011 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病患者の血管新生緑内障における歯周病由来抗cardiolipin抗体の役割
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23792466
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
片桐 さやか 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60510352)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 歯周病 / 糖尿病 / 緑内障 / 抗cardiolopin抗体 |
Research Abstract |
歯周病は、様々な全身疾患のリスクファクターであり、なかでも糖尿病とは相互に影響することが明らかになっている。糖尿病では、高血糖状態によって様々な合併症が引き起こされるが、なかでも、網膜症は3大合併症のひとつとしてとらえられている。糖尿病網膜症による血管新生緑内障は、虹彩や偶角に血管新生が起きることにより、眼圧が上昇する疾患である。緑内障は日本人の失明原因の第一位となっており、眼圧の上昇が高頻度で観察されるが、この原因としては未だ不明な点も多い。しかしながら、近年、緑内障の発症・進展を調査した大規模な前向き介入コホート研究では、抗cardiolopin抗体が緑内障の発症・進展のリスクファクターとなることが報告されている。これまでの研究で、歯周炎患者では健常者と比較してβ2GPI依存性抗cardiolipin抗体が上昇していること、またβ2GPI上のTLRVYKペプチドを認識するモノクローナル抗体をマウスに注射することにより血栓や早産が引き起こされることが報告されている。今回、私たちは、A. actinomycetencomitans のleucotoxin Cは、β2GPI上のTLRVYKペプチドと相同性が高いペプチド配列を有しており、A. actinomycetencomitans のleucotoxin C中の配列に対する抗体が、β2GPI上のTLRVYKペプチドと交差反応を引き起こす可能性があることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A. actinomycetencomitans のleucotoxin C中の配列に対する抗体が、TLRVYKペプチドと交差反応を引き起こす可能性があることを示した。本結果は新しい知見であり、今後の臨床研究の発展へとつながるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者として、東京医科歯科大学医学部附属病院内分泌代謝内科を受診中の、糖尿病と診断された患者100名とする。実験群としては、血管新生緑内障と診断された糖尿病患者50名、コントロール群として糖尿病性網膜症に罹患していない糖尿病患者50名とする。選択基準は(1)重度な緑内障に影響しうる疾患を有さない。(2)少なくとも10歯以上の歯が残存している。(3)過去3ヶ月以内に全身的、局所的抗菌投与が行われていないこととする。歯周検査として、プロービングポケット深さ(PPD)、アタッチメントレベル(AL)、プロービング時の歯肉からの出血(BOP)、オーレリーのプラークコントロールレコード(O-PCR)、動揺度を測定する。被験者の最深のPPDを示す歯周ポケット4部位に対してペーパーポイント法により、細菌のサンプリングを行う。また、唾液も採取する。リアルタイムPCR法により、総菌数、各細菌数(P.gingivalis., T.denticola., A.actinomycetencomitans.)、対総菌比率を算出する。被験者より、末梢静脈血を採取し、血清分離後、血清中のβ2GPIに対する抗体価をELISA法にて測定する。また、血清中のP. gingivalis., T. denticola., A. actinomycetencomitans. 全菌体に対するIgGおよびIgGサブクラス血清抗体価と、TLRVYKと相同性をもつペプチドに対する血清抗体価をELISA法にて測定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養試薬、抗体作製、ELISA用試薬、PCR用試薬、分子生物学試薬、プラスチック消耗品を購入する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Reduced masticatory function in non-elderly obese Japanese adults.2011
Author(s)
Katagiri S, Nitta H, Nagasawa T, Izumi Y, Kanazawa M, Matsuo A, Chiba H, Miyazaki S, Miyauchi T, Nakamura N, Oseko F, Kanamura N, Ando Y, Hanada N, Inoue S.
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Journal Title
Obesity Research and Clinical Practice
Volume: 5
Pages: e279-e286
Peer Reviewed
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