2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規エナメル基質蛋白会合分子を標的とした歯周組織再生のプロテオーム創薬
Project/Area Number |
23792480
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福田 隆男 九州大学, 大学病院, その他 (80507781)
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Keywords | アメロジェニン / 歯周組織 |
Research Abstract |
歯周組織の再生にエナメル基質タンパク質 (EMD : Emdogain® Gel ) が用いられ良好な結果が報告されているが、その作用機序についてシグナル伝達分子レベルでの統一的な見解は得られていない。申請者はEMDの主要蛋白であるアメロジェニンに注目して、同分子が歯周組織再生に果たす役割を機序の面から解明するためにプロテオーム解析を行い、新規アメロジェニン会合分子群の同定を世界で初めて報告した。さらにその中で、アメロジェニン会合蛋白群の中において、Grp78が骨芽細胞のアメロジェニン取り込みと細胞増殖に関与することを明らかにした。 EMDの作用機序解明のための、プロテオーム解析を応用した創薬標的分子の同定は、本研究以外に例を見ない独自的アプローチである。 近年注目されている幹細胞を中心とした細胞移植による再生治療は、めざましい成果をあげつつもその必要設備・コストなどの点で、歯科臨床の現場への普及には多くのハードルが課せられているのが現状である。一方で、臨床実績のあるEmdogain® Gelの再生機序の解明は、将来的に組み換えアメロジェニンを原料として、その会合蛋白、あるいは下流のシグナル伝達分子を標的とした薬剤とのカクテル製材により、歯周組織再生シグナルをより効果的に誘導する安全性の高い次世代の分子標的再生療法の創薬につながると考えられる。
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