2013 Fiscal Year Research-status Report
子宮内感染源としての歯周病原細菌の可能性とメカニズムの解明
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23792483
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長谷川 梢 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00404492)
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Keywords | 歯周病 / 早産・低体重児出産 / 歯周病原細菌 |
Research Abstract |
本研究は、子宮内に存在する歯周病原細菌と子宮内感染や臨床的産科状態の関連性を、メカニズムとともに解明することを目的としたものであり、子宮内に存在する歯周病原細菌と子宮内感染や産科的臨床状態との関連、歯周病原細菌の混合感染が子宮内組織や出産に与える影響を臨床研究とin vivo研究により解明することを目指している。 本年度までの臨床研究では、子宮内に存在する歯周病原細菌と子宮内感染や産科的臨床状態との関連ついての分析を行い、ハイリスク妊娠妊婦は正常出産妊婦と比較し、有意に歯周組織検査の結果が悪く、採取したハイリスク妊婦の卵膜にのみに、歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalis とFusobacterium nucleatumが検出された。これらのことから、歯周病や歯周病原細菌が出産に影響している可能性を明らかにした。 本年度からは、臨床研究に加えて、歯周病原細菌が出産に与える影響について、in vivoによる検討を行っている。妊娠させたBALB/c miceに妊娠14日目に、Porphyromonas gingivalisを静脈に投与して、出産に与える影響を検討した結果、歯周病原細菌を投与したmiceの胎盤は、コントロールと比較して小さかった。今年度は、育児休業取得(2013年7月17日まで)のため、進行が遅れてたため、今後は組織学的な検討を含めたin vivo実験を進め、歯周病原細菌と子宮内感染の関連性を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、育児休業を2013年7月17日まで取得しており、動物実験の研究再開が7月末であったことや感染動物実験の手続きが長くかかったことにより、実験の再開が遅れたため、進行状況は、計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
歯周病原細菌の混合感染による動物モデルを用いた解析を進め、組織学的な検討も加える。その結果と、現在までに終了している臨床研究や動物実験の結果を総合的に解析し、研究成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
育児休業を2013年7月17日まで取得しており、動物実験の研究再開が7月末であったことや感染動物実験の手続きが長くかかったことにより、実験の再開が遅れ、歯周病原細菌の混合感染モデルの実験を実施するには至らず、その成果発表もできなかったため、未使用額が生じた。 歯周病原細菌の混合感染による動物モデルを用いた解析を進めるための費用として、物品費(消耗品;実験動物、動物実験の器具や消耗品、試薬や抗体、等)や切片作成費を計上し、本研究で得られた研究結果を総合的に解析し、研究成果の発表を行うための費用として、学会参加のための旅費、学会参加費、資料作成費用を計上し、未使用額はその経費に充てることにする。
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