2011 Fiscal Year Research-status Report
メタボロミクスで紐解く口腔バイオフィルムの病原活性~in vivoでの解明~
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23792498
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20400260)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | メタボローム / バイオフィルム / 代謝 / う蝕 / 細菌 / アミノ酸 |
Research Abstract |
これまで、糖やアミノ酸などの溶液を用いた洗口前後に微量(10mg程度)の口腔バイオフィルムを採取し、その代謝中間体および代謝産物の測定をCE-TOFMSを用いて試みた。すでに確立した一部の糖代謝関連代謝産物に加え、23年度はアミノ酸およびその代謝に関わる物質を中心にその代謝分析を試みたところ、口腔バイオフィルムに含まれる各アミノ酸および分解産物であるアンモニアなどの代謝産物量の変動が観察された。口腔バイオフィルム内で、糖だけでなくアミノ酸が何らかのエネルギー源として活用されていることが、改めて示唆された。 また、この代謝分析の際に検出対象となる各物質の同定・定量のため、それらの物質の標準試薬を用いて、必要なライブラリーデータ(各物質のCEによる検出時間ならびにTOFMSによる精密質量(m/Z)を入力したデータベース)の整備も、順次進めているところである。 現在は引き続き口腔バイオフィルムに含まれるアミノ酸の代謝に関する分析を現在行っているが、今後はそれらの知見をもとに、口腔バイオフィルム内で機能している代謝経路・代謝酵素を検索・推定し、口腔バイオフィルムのアミノ酸代謝メカニズムの解明に引き続き取組みたいと考えている。 なお、以上の研究成果の一部を、学術学会に公表予定である(2012年6月 国際歯科研究学会:IADR)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
途中測定機器の不具合などにより、一部遅れている部分があるが、研究実績欄に記載したとおり、おおむね順調に進展しているため、この区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度に引き続き、1.微量の口腔バイオフィルムサンプルからのCE-TOFMSによるメタボローム解析技術の高度化、2.得られたデータの解析及び口腔バイオフィルム内の代謝経路・代謝酵素の検索・推定のシステム化を進めていく予定である。 また、今年度は、23年度までに得られた研究成果や確立した研究手法をもとに、1.これまで単菌を用いた実験により得られてきた"in vitro" データを、実際の口腔バイオフィルムを用いた"in vivo"データで検証(具体的には、代用糖や薬物による代謝への影響の検討など)2.CE-TOFMS装置を用いる本手法を用いて、改めて単菌を用いた同様の検討を行い、これまでの知見と比較検討する の2点を中心に研究を進めていきたいと考えている。なお、得られる研究成果は、歯科基礎医学会などの学術大会にて発表し、学術誌へも論文として公表予定したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度はCE-TOFMS用試薬、CE-TOFMS用キャピラリーカラム、CE-TOFMS限外濾過フィルタ、ライブラリー構築用試薬、ガス(嫌気ボックス用)、細菌培養用培地類、各種分析用試薬、プラスチック器具などの物品費(消耗品費)として530,000円、国内外の研究成果発表旅費として、300,000円、外国語論文の校閲などの謝金として、20,000円、そのほか、研究成果投稿料、印刷料などとして、50,000円を予定している。
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[Presentation] Evaluation of pH using an ISFET at the interface between bacteria and restorative materials2011
Author(s)
Mayanagi G, Igarashi K, Washio J, Nakajo K, Domon-Tawaraya H, Takahashi N
Organizer
The 6th International Workshop on Nano-, Bio-, and amorphous Materials
Place of Presentation
Zao, Miyagi, Japan
Year and Date
August 8-9, 2011
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[Book] Interface Oral Health Science 20112012
Author(s)
Hitomi Domon-Tawaraya, Kazuko Nakajo, Jumpei Washio, Satoshi Fukumoto, Nobuhiro Takahashi
Total Pages
178-180
Publisher
Divalent Cations Enhance Short-Time Fluoride Exposure-Induced Inhibition on Acid Production by Streptococcus
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[Book] Interface Oral Health Science 20112012
Author(s)
Junko Kawashima, Kazuko Nakajo, Jumpei Washio, Hidetoshi Shimauchi, Nobuhiro Takahashi
Total Pages
189-191
Publisher
Bicarbonate Decreases Inhibitory Effects of Fluoride on Acid Production by Actinomyces naeslundii
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[Book] Interface Oral Health Science 20112012
Author(s)
Gen Mayanagi, Koei Igarashi, Jumpei Washio, Kazuko Nakajo, Hitomi Domon-Tawaraya, Nobuhiro Takahashi
Total Pages
192-194
Publisher
A New Method to Evaluate pH at the Interface Between Parasites and Biomaterials
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[Book] Interface Oral Health Science 20112012
Author(s)
Yoko Sakuma, Jumpei Washio, Yasuhisa Takeuchi, Keiichi Sasaki, Nobuhiro Takahashi
Total Pages
201-203
Publisher
A Highly Sensitive alamarBlue Method for Evaluating Bacteial Adhesion to Biomaterials
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