2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792503
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
竹内 周平 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (50507770)
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Keywords | 医用工学 / 生体計測 / 水分量計測 / 湿度計測 / 電気抵抗計測 / スパッタリング法 |
Research Abstract |
【研究目的】口腔乾燥症は生理的・病的に唾液腺機能が低下する高齢者に多く発症し、慢性疼痛、咀嚼障害、嚥下障害など様々な口腔症状を引き起こす。特に要介護高齢者では著しいQOLの低下をもたらし、より一層の適切な診断・評価法が求められている。今回、光ファイバーを用いた口腔内計測用の光学的水分計の開発し、口腔内計測を行うことによって、口腔乾燥症の新たな診断方法としての有用性を確立させることを目的とした。 【実験内容】口腔内計測用光学的水分計の開発のために、光計測装置の出力値と既知の水分量との相関関係から検量線を作成する必要性があることから、新たに電気抵抗式水分量計測装置の開発を行った。PETシートに直流マグネトロンスパッタリング法によって電極形成し、AgまたはAuの薄膜形成を行い、軟組織の多い口腔内で馴染みやすい、小型で薄く柔軟性のある電気抵抗式センサを製作した。電源には歯科用電気的根管長測定器を応用し、A/D変換器およびPCを加え、口腔内計測用電気抵抗式水分量計測システムを構築した。最終年度においては基本特性計測を行った。基本特性計測には、複数の同形流路を刻んだアクリルレジンプレートを製作し、1流路ずつ水分通すことで出力を段階的に計測した。その結果、流路数とインピーダンスは階段状に相関関係を示した。また一方でアクリルパイプを加工し、上記薄膜水分量センサ、および湿度センサの双方を搭載した、粘膜上水分量計測・口腔内湿度計測を同時計測する装置を考案・製作した。 【実験の意義・重要性】最終年度の実験によって、口腔内電気抵抗式水分量計測が実現可能であることが示唆された。今後は生体計測において、より適した電極形態の試作、基本特性計測の正確性向上を行っていきたい。加えて、口腔内湿度の同時計測について、口腔乾燥症の診断方法において、複数の因子による多元的な評価が可能となることが見込まれる。
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