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2011 Fiscal Year Research-status Report

健康評価の指針となる口腔常在フローラの探索

Research Project

Project/Area Number 23792517
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

竹下 徹  九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50546471)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords口腔フローラ / 健康 / 高齢者 / 16S rRNA
Research Abstract

本年度は健康な歯および歯周組織を維持している65歳以上の被験者20名について、口腔診査において得られた現在歯数、プロービングデプス、プロービング時の出血の有無、口腔清掃状態、さらにう蝕経験歯数、その他特記事項についての情報を取得し、これらのデータについてデータベース化を行った。さらにそれぞれの被験者から採取された縁上歯垢、舌苔、唾液検体から細菌群集DNAの抽出を行い、細菌に共通な配列である8F、806RをプライマーとしてPCR法を用いて16S rRNA 遺伝子を増幅した。増幅した16S rRNA 遺伝子群について今年度はT-RFLP 法を用いてそれぞれの細菌群集の解析を行った。制限酵素HaeIII、RsaI を用いて得られたピークパターンについて我々がこれまで行ってきた様々な集団のT-RFLP ピークパターンとの比較を行ったところ、本集団のみに認められるピークは検出されず、健康高齢者のみに特異的に検出される菌種は認められない可能性が示唆された。一方で本集団の被験者のT-RFLPピークパターンではより多くのピークが検出される傾向が認められ、一般的な口腔フローラに比べて複雑な細菌構成になっている可能性が示唆される。加えてT-RFLP解析の結果から舌苔と唾液の細菌構成はよく一致していることが明らかとなった。今後採取する検体については検体採取にかかる時間と手間の削減のために、採取する検体を歯垢と唾液のみに限定することも可能であると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度までに得られた検体数は20名分と予定していた30名に比べると若干少ないものの、これらの検体全てについて現在歯数、プロービングデプス、プロービング時の出血の有無、口腔清掃状態、さらにう蝕経験歯数、その他特記事項についての情報を取得し、これらのデータについてデータベース化を行うことができた。さらにT-RFLP解析と以前のデータとの比較により本集団の細菌群集サンプルの構成の概要が把握できた。以上の結果を考えると本研究ははおおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

次年度はまず検体のさらなる収集を目指す。被験者の選別条件であった(1)24歯以上の歯を有する(2)う蝕経験歯数が5歯以内である(3)4mm以上の歯周ポケットが存在しない(4)これまで歯科医院における定期的なメンテナンスを受けたことがないの四条件を満たす高齢者を見つけることが予想していたより難しいものであることが明らかとなったことから、特に(4)の条件を緩和し被験者数の増加を目指す。さらに得られた検体の細菌群集構成について、T-RFLP法だけでなくバーコードパイロシーケンス法を用いた詳細な解析を行っていく予定である。本手法で得られた解析結果については我々がこれまで構築したR、PHPを用いた解析系を用いる。次世代シーケンス受託解析の結果が返却される前に解析系についてさらなる改良、高速化を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初の予定ではT-RFLP法を用いて解析した検体のうちいくつかは初年度のうちに次世代シーケンサーを用いた受託解析を発注しておく予定であった。しかしながら近々にシーケンサーのアップグレードにより解読塩基長の改善が行われるとの情報を得たため、このアップグレードを待って受託解析を行うこととした。次年度はT-RFLP法で得られた結果を観察しより詳細に解析を行う検体を決定したのち、それらの検体について次世代シーケンサーを用いた細菌群集構成の詳細な解析を行う。健康と強い関連が認められる菌種が特定された場合、それらについての定量PCR法を確立し分析を行う。

  • Research Products

    (5 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Enteral Tube Feeding Alters the Oral Indigenous Microbiota in Elderly Adults2011

    • Author(s)
      Takeshita T, Yasui M, Tomioka M, Yamashita Y
    • Journal Title

      Appl Environ Microbiol

      Volume: 77 Pages: 6739-6745

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 口腔フローラの常在細菌構成バランスは口腔の健康状態と関連する2011

    • Author(s)
      竹下徹
    • Organizer
      第53回歯科基礎医学会学術大会・総会(招待講演)
    • Place of Presentation
      岐阜市
    • Year and Date
      2011年10月2日
  • [Presentation] Molecular analysis of bacterial community inhabiting in carious dentin2011

    • Author(s)
      J. Obata, T. Takeshita, M. Unemori, Y. Shibata, A. Akamine, Y. Yamashita
    • Organizer
      第59回 国際歯科研究学会日本部会(JADR)総会・学術大会
    • Place of Presentation
      広島市
    • Year and Date
      2011-10-08
  • [Presentation] 硫化水素およびメチルメルカプタン高産生常在フローラの細菌構成2011

    • Author(s)
      竹下徹、鈴木奈央、中野善夫、米田雅裕、廣藤卓雄、山下喜久
    • Organizer
      第53回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • Place of Presentation
      岐阜市
    • Year and Date
      2011-10-01
  • [Presentation] Bacterial composition in saliva and its connection to oral biofilms2011

    • Author(s)
      Y. Yamashita, W. Yamanaka, T. Takeshita, K. Matsuo, T. Yokoyama
    • Organizer
      Eurobiofilms 2011
    • Place of Presentation
      Copenhagen, Denmark
    • Year and Date
      2011-07-07

URL: 

Published: 2013-07-10  

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