2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792517
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹下 徹 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50546471)
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Keywords | 口腔フローラ / 健康 / 高齢者 / 16S rRNA |
Research Abstract |
本年度は前年度採取した健康な歯および歯周組織を維持している65歳以上の被験者16名と重度の歯周炎が認められる8名の被験者の唾液中の細菌構成の比較を行った。唾液検体から抽出したDNAについて16S rRNA遺伝子を細菌共通配列8Fと338Rを用いて増幅し、半導体シーケンサーIon Personal Genome Machine (PGM)を用いて塩基配列の解読を行った。得られた410849リードのうち、塩基長280base以上等クオリティコントロールを通過した166152リードからは12菌門、89菌属、10463OTUが検出された。検体あたりの検出OTU数、構成菌種の多様性、Phylogenetic diversityには両群に大きな差は認められなかった一方で、健康高齢者群のProteobacteria門の比率は35.2±21.5%と重度歯周炎群の12.5±16.4%に比べ有意に高かった。菌属レベルではNeisseriaの比率が重度歯周炎群で5.4±6.5%であるのに対し、健康高齢者群で28.7±20.1%と大きく異なっていた。Neisseriaは以前我々が行った20~40代の被験者における唾液中の細菌構成の解析においても健康な歯肉と関連づけられており、今回の結果と一致する。以上の結果から健康な歯肉の維持と口腔常在フローラにおけるNeisseriaの構成比率とのあいだに関連があることが示唆された。
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Research Products
(8 results)