2012 Fiscal Year Research-status Report
総合周産期母子医療センターの安全性を保証した施設計画ガイドラインの開発
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23792533
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 玲奈 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (10431313)
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Keywords | 総合周産期母子医療センター / 施設計画 / 母子関係形成 |
Research Abstract |
総合周産期母子医療センター(以下、周産期センター)、および現在設計中の周産期センターの設計者とセンター管理者等に対し、ヒアリング調査を行った。また、竣工図面もしくは現在設計中の図面による分析を行った。 その結果、各周産期センターは背景にある病院の特質により周産期センターの機能が決定され、2種類に分類された。1つは、特定機能病院を含む総合病院等の周産期センターであり、これは多数の診療科を有する特色を示し、同センターは特に脳外科、心臓外科、内科を有しているため、母体合併症に対する治療を含めた管理をする役割があった。もう1つは、主に産科と小児科で構成されている周産期センターであり、産科的合併症と胎児疾患、胎児合併症の管理をすることが主な役割であった。 前者は母体の産科領域以外の異常が診断された時に、緊急手術のための移動が必要となる。よって、MFICU(母体胎児集中治療管理室)もしくは分娩室から手術室への動線が最も重視されることが明らかになった。一方、産科および小児科を主とした周産期センターにおいては、胎児異常を管理するために、出生後の児を管理するNICU(新生児集中治療室)とGCU(新生児治療回復室)の位置関係が非常に重要であった。両室では、児の状況に応じて必要な設備を使用できる病床に移動させて管理している。低出生体重児や奇形等の疾患がある新生児は、少しの移動でも身体にかかる負荷が大きいため、この2室が近い位置に配置されていることが非常に重要であることが明らかになった。 ただし、NICUとGCUの位置関係は総合病院内における周産期センターでも同様のことが言え、いずれの周産期センターにおいても産科との位置関係よりも非常に重要視していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画の通りヒアリングを重ねてきているが、新しく竣工されたセンターや現在計画中のセンターを対象としているため、全国的に数が少ないこと、また、女性や新生児の多い病棟であることや感染管理の問題から、調査の受け入れや見学が必ずしも良い返事ではないこともあったため。
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Strategy for Future Research Activity |
管理者や設計者へのヒアリングと図面分析を継続して積み重ねる。 また、今年度明らかになった2分類されたセンターの特徴の詳細を明らかにするために、MFICU,NICU、GCUにおける入院患者属性および各患者の病床移動を明らかにし、これらから各室の配置との関連を分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新しく竣工されたセンターや現在計画中のセンターを対象としているため、全国的に数が少ないこと、また、女性や新生児の多い病棟であることや感染管理の問題から、調査の受け入れや見学が必ずしも良い返事ではないこともあったため、予定していたよりも調査旅費等が少なくなった。平成24年度の残額に関しては、平成25年度の調査旅費として使用する。
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