2011 Fiscal Year Research-status Report
若手助産師を育む臨床指導者育成プログラムの開発に向けた基盤研究
Project/Area Number |
23792556
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
菱沼 由梨 東京医療保健大学, 公私立大学の部局等, 助教 (50583697)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 助産師 / 臨床教育 / 臨床指導者 / プログラム開発 |
Research Abstract |
平成23年度は、1)研究協力施設の募集および決定、2)研究協力施設に所属する助産師への研究協力依頼及び質問紙の配布を行った。概要は以下の通りである。 1)研究協力施設の決定にあたっては、インターネット上に公開されている医療機関のうち、産科を標榜するおよそ3500施設の医療機関(病院・診療所・助産所)から無作為に1000施設を抽出した。そして、施設責任者もしくは産科関連部門責任者宛てに、研究の概要及び研究協力依頼書を送付した。研究協力の諾否については、返信用はがきにプライバシー保護シールを貼付し返送していただいた。219施設から回答があり、そのうち155施設から承諾が得られた。 2)質問紙は、協力の得られた155施設に所属する助産師合計1749名に、窓口となっていただく担当者を通じて配布した(第1回目調査)。現時点で合計900部程度の質問紙が返送されており、順次データ入力を行っているところである。 得られたデータは、施設特性(施設種別、母性看護学実習・助産学実習受け入れの有無など)あるいは個人特性(年齢、教育背景、助産師経験年数、母性看護学実習・助産学実習における臨床指導者経験の有無とその年数など)によって「臨床指導実践能力」と「臨床指導実践能力」を規定する3つの概念(専門家としてのコンピテンシー、教育者としてのコンピテンシー、パーソナリティ特性)、5つの下位概念(自信を見出す自己洞察、助産実践の共有、経験から学ぶことへの支援、相手への配慮・共感、臨床指導者特性)にどのような違いがみられるのか横断的記述的に分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関(大学)の変更により、当初想定していた以上に教育活動に従事する時間が増えたため、研究活動に時間を費やすことが難しい状況にあった。 また、当初計画に含めていた研究設備が十分に揃っていなかった。そのため、研究に必要な設備や備品・物品を揃えるのに思いのほか時間がかかったこと、アンケート用紙の印刷などで業者のミスが続き、数か月進捗が滞ったこと、加えて、研究スペースを十分に確保することが難しく、効率よく作業を行うことが非常に困難な状況が続いた。(特に、インターネットと接続しないパソコンの準備や、回収した質問紙を保管する場所の確保が難しく、研究倫理の点からも、研究に着手することが難しい状況が続いた。) しかしながら現在は、一応の対応策が講じられ、研究は順調に進行し始めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
第1回目調査においては、およそ900名の助産師から協力が得られた。本調査によって得られたデータは、データ入力を行い、横断的記述的に分析を行う予定である。特に施設特性や個人特性によって、臨床指導実践能力と臨床指導実践能力を規定する要因(3つの概念:専門家としてのコンピテンシー、教育者としてのコンピテンシー、パーソナリティ特性、5つの下位概念:自信を見出す自己洞察、助産実践の共有、経験から学ぶことへの支援、相手への配慮・共感、臨床指導者特性)にどのような差が認められるのかを明らかにしていく予定である。 また第1回目調査に協力が得られた助産師のうち、さらに反復調査(第2回目以降)への協力が得られた助産師に対して、6月以降、3か月毎に同一の質問紙を配布する。データは、施設特性・個人特性による臨床指導実践能力の差を明らかにするのみならず、臨床指導実践能力と臨床指導実践能力を規定する要因(3つの概念、5つの下位概念)が推移する過程と、その過程に影響を及ぼす関連要因を縦断的に明らかにしていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究においては、4月以降、すでに900名程度の助産師から質問紙の回収が得られている。1通あたり\95~105の通信費がかかり、現段階においてすでに\80,000程度の通信費が形状されている。 また、研究協力の得られた900の助産師のうち、さらに反復調査への協力が得られた助産師に対しては、6月以降来年3月まで、3カ月毎に同一の質問紙を配布する予定である。反復調査への協力が得られる助産師については、計画段階においては100名程度と見込んでいる。そうであれば今後は、100名に対して合計4回質問紙を配布することになり、発送1件につき\80、合計\80×400=\32,000の通信費が必要であると見込んでいる。 また、第1回目調査調査については、年内に関連学会において発表することを目標としており、そのための経費(学会登録費・学会参加費・学会参加のための交通費・宿泊費、印刷費等)として、\300,000を計上している。
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