2013 Fiscal Year Annual Research Report
苦痛症状のあるがん患者に対する緩和ケア評価におけるコンフォート指標の開発
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23792596
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
金正 貴美 香川大学, 医学部, 講師 (00335861)
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Keywords | がん患者 / 緩和ケア評価 / コンフォート |
Research Abstract |
〔はじめに〕本研究は、苦痛症状のあるがん患者に対する緩和ケア評価におけるComfort指標を抽出することを目的としている。(用語の定義)進行がん患者:がんと診断され、苦痛となる症状(痛み・呼吸困難・消化器症状・倦怠感のうちどれか)がある者、Comfort:苦痛が軽減される感じや状態である。〔研究方法〕データ収集方法は、対象者に疼痛についてのインタビューや、リハビリ時において参加観察を行った。データ分析方法は、インタビューや参加観察した内容を逐語録にし、じっくりと読んだうえで、疼痛の軽減について語っている箇所を抜き出し、類似性と相違性を考えながら分類し、ネーミングする質的記述法を用いた。調査期間は、平成23年4月から平成26年3月である。倫理的配慮は、調査協力者に対して、文書と口頭で説明し、文書での同意を得て実施した。参加観察は日常生活・医療・緩和リハビリテーション内容に支障がないよう配慮した。研究協力者や周囲のほかの患者も含めて緊急事態が発生したときは、すぐに観察を中断して患者の安全を優先することとした。また研究者所属の倫理審査委員会の承認を得て行った。〔結果〕対象者の属性は、同意の得られた対象者は11名であった。性別は、男性7名(63.6%)、女性 4名(36.3%)である。年齢は50~70歳代である。病名は、胃癌1名(9.0%)、肺癌 3名(27.2%)、前立腺癌 1名(9.0%)子宮頸がん3名(27.2%)、咽喉頸部癌 2名(18.1%)、腹膜原発癌 1名(9.0%)である。苦痛症状のあるがん患者のComfort指標は、「痛みは減ってきている」「痛みはわずかになっている」「痛みが和らいでいる」「痛みが違ってくる」であった。〔考察〕今後は、本研究結果を用いて、痛んでもこの痛みは減らすことができると実感できる介入方法を開発していく予定である。
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