2011 Fiscal Year Research-status Report
看取りケア充実に向けた死後の処置教育プログラムの開発に関する研究
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23792603
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
平野 裕子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (40369377)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 看取り / 看護師 / 死後の処置 / 死への態度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、患者や家族の思いを尊重した、グリーフケアにつながる死後の処置を提供するため、新人看護師の教育的支援者となる先輩看護師が死後の処置場面において実施している新人看護師への指導や支援の実態を明らかにし、看取りのケア充実に向けた死後の処置教育プログラムを構築することである。今年度は新人看護師の教育的支援者となる先輩看護師が死後の処置場面において実施している新人看護師への指導や支援の実態について予備調査を実施予定であったが実施には至れなかった。そのため、プリセプター経験があり、看護師経験3~4年の看護師7名を対象に実施した調査結果の再分析を行なった。結果、新人看護師と死後の処置を実施した経験のある者は2名のみであり、支援についてはさらに経験のある看護師が主に行っており、あまり関わっていなかった。一方で新人看護師時代に実施した看取りの場面を通して先輩看護師から受けた支援は69内容あり、≪生じた思いや行えた行為に気づかせる肯定的な受け止め≫≪力量を考慮した段階的ケアの獲得≫≪看取りを受け入れやすくする環境調整≫の3つが明らかになった。また、がん診療連携拠点病院および緩和ケア病棟のある病院、計563病院を対象に死後の処置を含む逝去時の対応の看護手順に関する実態調査を実施した。結果、245病院(43.5%)より返答があり、そのうち149病院(60.8%)より調査協力が得られた。現在、回収した逝去時の対応に関する看護手順に記述されている内容を明らかするため、分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定より教育に関する業務が増え、計画時期に面接調査を実施するための時間の確保および調整が上手にできなかった。しかし、既存データの再分析結果から、臨床経験3~4年目の看護師が死後の処置場面において受けた先輩看護師からの指導や支援の傾向を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施に至らなかった先輩看護師が死後の処置場面において実施している新人看護師への指導や支援の実態を明らかにするための予備調査を早急に行なった上で、知識提供者の示唆を受けながら本調査を実施する。また、逝去時の対応に関する看護手順書の内容分析を進め、学術集会にて発表する準備を行なう。特に今回の調査では、死後の処置を行なった際、遺族が負担する処置管理料は0円~42000円と負担額の幅が広いことが明らかになっており、記述内容から死後の処置時に発生する費用とケア内容の関連も明らかになるよう、検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度面接調査を実施する上で執行する予定であった経費を使用して、対象者への謝礼20~40名の看護師を対象に面接調査を実施する予定である。面接調査においては、面接調査旅費および調査対象者への謝礼は必須であり、本研究計画を実現に向け、インタビュイを含めた研究協力者の確保など早急に行なう。また、専門家の示唆を受けながら本課題達成のための研究環境を整備していく予定である。
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Research Products
(1 results)