2012 Fiscal Year Research-status Report
看取りケア充実に向けた死後の処置教育プログラムの開発に関する研究
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23792603
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
平野 裕子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (40369377)
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Keywords | 看取り / 看護師 / 死後の処置 / 死への態度 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度実施できなかった新人看護師の教育的支援者となる先輩看護師が死後の処置場面において実施している新人看護師への指導や支援の実態を明らかにするため、A県内5病院(1病院:100床程度、4病院:400床程度)の協力を得、初めて死後の処置を行う新人看護師と一緒に死後の処置を実施し、新人看護師へ教育的立場でかかわった経験のある看護師20名を対象に半構成面接を実施した。 結果は十分な検討ができていないが、傾向として初めて死後の処置を行う新人看護にかかわる看護師は、死者を前にし、呆然と立ち尽くす、涙ぐむなどの反応を示す新人看護師に、「いつも行っている清拭」を死者、生者と区別することなく実施してほしいと願いながら、死者へ声をかける姿を見せ、1つ1つの手技を声に出して教えることで一通りの流れを教えていた。しかし新人看護師の内面に抱いた思いに対する支援は、初めて行ったケアの一環として振り返りレポートを書かせる、一通りの手技獲得に向けた振り返りをするが内面までは踏み込まない、など一緒に死後の処置を行う先輩看護師個人の考えにより支援は大きく異なっている傾向がみられた。 今後は死生学および看取り精通者より示唆を受けながら結果の再考をしていく予定である。また、本結果と合わせて、昨年度末に実施したがん診療連携拠点病院および緩和ケア病棟のある病院を対象に実施した死後の処置を含む逝去時の対応の看護手順に関する実態調査(計149病院;有効回答26.4%)の結果および再分析を進めるとともに看取りケア充実に向けた死後の処置教育プログラムについて検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定より面接調査時期が1年遅れ、今年度スタートしたが5病院の協力を得、インタビュー調査を実施することができた。しかし十分な分析には至れていないため早急に結果を明らかにし、プログラムの作成に努めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
先輩看護師が死後の処置場面において実施している新人看護師への指導や支援の実態を明らかにし、逝去時の対応に関する看護手順書の記載内容を合わせて分析を進め、学術集会にて発表する準備を行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度に実施予定であった面接調査時期が当初の予定より1年遅れたため、経費を繰り越して執行している。 今年度は20名の面接調査を実施したが、十分な結果の検討、分析には至れていない。 次年度は、死生学および看取りケア精通者からの示唆を得ながら早急に結果を明らかにしていく。また、必要に応じては面接調査の追加(20名程度)を計画しており、調査旅費および調査対象者、死生学および看取りケア精通者への謝礼など、適切に執行していきたい。更に新たにがん専門看護師などにも協力を求め、プログラム作成の準備を整えていきたい。
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