2011 Fiscal Year Research-status Report
外来化学療法を継続する進行肺がん患者の希望を支える看護介入モデルの開発と評価
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23792612
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
船橋 眞子 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教 (50533717)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 臨床看護学 |
Research Abstract |
本研究は、「外来化学療法を継続する進行肺がん患者の希望を支える看護介入モデルの開発」をすることを最終目的とし、平成23年度は、1)これまで実施した研究「外来化学療法を継続する肺がん患者の希望に関する研究」の結果の信頼性・妥当性を高めるための追加調査および再分析を行う、2)1)の結果と文献的考察に基づいて、外来化学療法を継続する進行肺がん患者の希望を実現するためのプロセスを支える看護介入モデル(以下、看護介入モデル)を作成する、と計画した。1)においては、結果の再分析を行った結果、結果の内容が飽和していると判断した。2)において、外来化学療法、外来看護、希望、進行肺がんをキーワードに文献検討を行った。文献検討により、国内の研究では、外来化学療法導入時期から2クール継続している時期までの研究はセルフケアに関する研究が多く、この時期の進行肺がん患者(以下、患者)の希望を明らかにした研究は見当たらなかった。そのため、看護介入モデルの開発には、当初予定していた研究計画の修正を行い、(1)外来化学療法導入決定時(2)外来化学療法を継続して1クール経過した時期(3)外来化学療法を継続して2クール終了した時期の3つの時期に対象者に、半構成的質問紙を用いた面接と既成の心理尺度2種類(POMS,WHO-QOL尺度)を用いて縦断的に調査し、これらの時期の患者の希望と心理的変化を明らかにすることが重要であると考察した。故に、修正案が実施できるよう研究計画を修正し、所属大学および研究協力施設の研究倫理委員会の承認を得て、研究協力施設の担当医師および外来化学療法認定看護師を研究協力者として起用し、対象者への調査を開始した。この調査結果を分析することにより、当初の計画案より現実に適合した看護介入モデルを作成することができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は、1)これまで実施した研究「外来化学療法を継続する肺がん患者の希望に関する研究」の結果の信頼性・妥当性を高めるための追加調査および再分析を行う、2)1)の結果と文献的考察に基づいて、外来化学療法を継続する進行肺がん患者の希望を実現するためのプロセスを支える看護介入モデル(以下、看護介入モデル)を作成する、ことを目的とした。1)に関する達成度は、「ほぼ達成した。」と評価する。理由は、これまで実施した研究のデータの再分析を行った結果、飽和していると判断したからである。しかし、これを論文として掲載することで達成と評価することが適切であると判断したため、平成24年度中に論文掲載することを計画している。2)に関する達成度は、「やや遅れている。」と評価する。理由は、平成23年度に、看護介入モデル作成のための文献検討を行ったところ、計画修正および研究実績の概要に示した調査が必要であると考察した。現在、計画修正した調査は実施中であり、この調査の結果・分析が終了し、看護介入モデルを作成することは、平成24年度内であると判断したため、達成度に関してはこのような評価が妥当であると判断する。しかし、この計画修正により、当初計画案よりも、より現実に適合した看護介入モデルを作成できると考えており、実施している調査は、未確立領域の内容であるため意義深いと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度から平成25年度の研究推進方策としては、1) (1)外来化学療法導入決定時(2)外来化学療法を継続して1クール経過した時期(3)外来化学療法を継続して2クール終了した時期の3つの時期に対象者に、半構成的質問紙を用いた面接と既成の心理尺度2種(POMS,WHO-QOL尺度)を用いて縦断的に調査し、これらの時期の患者の希望と心理的変化を明らかにする。2) 1)の結果を基に、「外来化学療法を継続する進行肺がん患者の希望を実現するためのプロセスを支える看護介入モデル(以下、看護介入モデル)」を作成する。3)作成した看護介入モデルを外来化学療法導入決定時から進行肺がん患者に実施し,既成の心理尺度2種類(POMS,WHO-QOL尺度)を用いて評価する。平成24年度は、方策の1)2)を実施し、平成25年度は3)を実施することを計画する。計画遂行に遅延が生じた場合は、研究協力施設の拡大で対応していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の研究計画案での研究費使用計画では、看護介入モデルの作成に関する報告を平成24年9月に開催される17th INTRENATIONAL CONFERENCE ON CANCER NURSINGで発表するための外国旅費を計上している。計画修正を行ったため、看護介入モデルの作成に遅延が生じたが、この学会には、キーワードである「外来看護」「進行がん」の2種類を含んだ別研究での演題で申し込みを行い採択された。別研究での発表ではあるが、本研究のキーワードである「希望(HOPE)」に関する研究は海外での研究の方が進んでおり、そのため、17th INTRENATIONAL CONFERENCE ON CANCER NURSINGに参加することは、本研究課題に隣接する海外研究の最新情報を収集するためには意義深く不可欠である。このことより、当初の計画通り平成24年度に外国旅費を使用する。その他の研究費に関しても、当初の計画通り、研究協力施設への調査のための旅費、研究遂行にあたり必要な逐語録作成に伴う信頼のある業者への謝金、分析に必要な既成ソフトの購入、研究遂行に必要な文献および消耗品の購入に使用する。
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