2011 Fiscal Year Research-status Report
皮膚の形態および色調を用いたIADリスクアセスメント指標の開発
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23792702
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
繁田 佳映 金沢大学, 健康増進科学センター, 助教 (50514618)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | IAD / 失禁 / 高齢者 / リスク指標 |
Research Abstract |
IADのリスク指標を探索すべく浸軟皮膚に着目した。そこで本研究は、浸軟皮膚がIADに移行するのか、また皮溝、色調がどのような状態にある皮膚がIADの発生予測指標として妥当であるのかを明らかにするために、prospective cohort studyを実施した。対象は長期療養型医療施設に入院し、尿および便失禁を有している女性とした。臀部にIADを含む皮膚障害を有する者、重篤な身体状況にある者は対象から除外した。調査期間は6週間とし、対象者のおむつ交換時に臀部皮膚の視覚的データおよび生理機能データを計測した。ただし、6週間以内にIAD(発赤、びらん、発疹)が臀部に発生した場合は、その時点で調査を終了することとした。視覚的データは調査開始以降、調査終了時まで週に1度、(1)マイクロスコープ(15倍レンズ使用)画像、(2)皮膚光沢、(3)画像補正チャートを貼付した写真画像が収集された。生理機能的データに関しては、調査開始時及び調査終了時に(1)真皮水分量、(2)角質水分量、(3)経皮水分蒸散量(Transepidermal water loss: TEWL)、(4)セラミド量、(5)TNF-α量を計測した。加えて、IADの原因である尿および便の性状、量および失禁の頻度と、基本属性である年齢、性別、基礎疾患、ADLレベルは、診療録より情報収集を行った。なお本研究は、金沢大学医学倫理委員会の承認を得て実施され、厚生労働省疫学研究に関する倫理指針、臨床研究に関する倫理指針を遵守している。平成24年4月現在、入院患者85名のうち、包含基準を満たす67名に研究の説明を実施し、同意が得られた55名の調査が終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の計画は、研究対象者への研究説明および同意書の取得、データ収集の開始としており、おおむね計画通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
浸軟を有する皮膚と浸軟を有さない皮膚別にIAD発生率を比較し、IADのリスク指標として浸軟皮膚の妥当性を検証する。また、浸軟とは別に、IADに至る皮膚の特徴を抽出するために、視覚的データおよび生理機能データを用いて解析を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ処理および解析を進めるにあたり必要となる、実験道具、文具の購入を行う。加えて、解析に関するスーパーバイズを得るための旅費、学会発表、論文執筆に要する費用にも研究費の使用を予定している。
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