2012 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚の形態および色調を用いたIADリスクアセスメント指標の開発
Project/Area Number |
23792702
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
繁田 佳映 静岡県立大学, 看護学部, その他 (50514618)
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Keywords | IAD / 失禁 / 高齢者 / リスク指標 |
Research Abstract |
IADのリスク指標を探索すべく浸軟皮膚に着目し、浸軟皮膚がIADに移行するのか、また浸軟皮膚がIADの発生予測指標として妥当であるのかprospective cohort studyにて検討した。 対象は長期療養型医療施設に入院し、尿および便失禁を有している女性とした。臀部にIADを含む皮膚障害を有する者、重篤な身体状況にある者は対象から除外した。調査期間は6週間とし、対象者のおむつ交換時に臀部皮膚の観察を行った。ただし、6週間以内にIAD(発赤、びらん、発疹)が臀部に発生した場合は、その時点で調査を終了することとした。基本属性である年齢、性別、基礎疾患、ADLレベルなどは、診療録より情報収集を行った。なお本研究は、金沢大学医学倫理委員会の承認を得て実施され、厚生労働省疫学研究に関する倫理指針、臨床研究に関する倫理指針を遵守している。 研究対象者59名中、研究同意が得られた47名を対象に調査を実施した。その結果、初回調査時において47名中36名に浸軟皮膚が観察され、浸軟皮膚を有していた36名中22名(61%)が6週間以内にIADを発生した。それに対し、初回調査時に浸軟皮膚が観察されなかった11名においては、6週間以内にIADが発生した者は1名(9%)であった。浸軟皮膚を有していることによりIADを発生する相対危険度は6.7(95%信頼区間:1.02-44.36)であり、感度95.7、特異度41.7、陽性的中率61.1、陰性的中率90.9であった。 以上の結果より、浸軟皮膚がIADの発生予測指標として妥当であることが明らかにされた。
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Research Products
(2 results)