2011 Fiscal Year Research-status Report
インターネットの電子掲示板を活用した健康づくり支援システムの開発
Project/Area Number |
23792729
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
尾崎 伊都子 名古屋市立大学, 看護学部, 講師 (00347395)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 保健指導 / 生活習慣 / ウェブサイト / 電子掲示板 / 勤労者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ウェブサイトによる健康づくり支援ツールを構築し、職域で保健指導を実践することにより、利用者の利用状況と改善効果、電子掲示板によるピアサポートが行動変容に与える影響などを分析し、保健指導実践者の支援のあり方を提示することである。平成23年度は保健指導の実践に先立ち、ウェブサイト『健康サポートネット』の構築、指導教材と評価項目の検討を行った。1.ウェブサイト『健康サポートネット』の構築 筆者がこれまでの研究で作成し介入研究に用いたウェブサイトを見直し、対象者がより主体的に生活習慣の改善に取り組むことができるようコンテンツの表示形態や機能を改善した。ウェブサイトの主なコンテンツは(1)ピアサポートのための電子掲示板、(2)生活習慣に関する情報提供、(3)目標達成状況を記入する自己観察日記であるが、その主な改善点として対象者が自分の現状に見合った生活習慣の改善目標を立てられるような教材の追加、改善目標の達成度を自己評価しやすくするためのグラフ表示機能の追加などを行った。また、ウェブサイトの利便性を高めるため、携帯電話からも自己観察日記や掲示板などの機能を利用できるように携帯版サイトを作成した。さらに、研究者が対象者の属性、健康状態、生活習慣などを定期的に把握するため、ウェブサイト上にアンケート機能を設けた。2.指導教材・評価項目の作成 指導教材としては、上記の『健康サポートネット』の改善点の一つである教材の他、対象者向け・管理者向けのウェブサイト操作マニュアルを作成した。また、これまでに実施してきた介入研究の成果を整理し、保健指導の有効性を適切に評価できるよう、対象者の生活習慣や自己効力感など測定するアンケート項目を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画は、保健指導の実践に先立ちこれまでの研究結果を分析し、(1)ウェブサイト『健康サポートネット』の構築、(2)指導教材と評価項目の作成、(3)『健康サポートネット』による保健指導の実施であった。平成23年度は年度途中から産前産後の休暇および育児休業の取得により研究を中断したが、(1)(2)についてはほぼ完了し、研究再開後から(3)を行っていく予定であるため、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、A企業の保健師と協同で、勤労者を対象にウェブサイト『健康サポートネット』を試行的に運用して改良を終了し、保健指導を開始していく。平成24年度は育児休業により研究を中断するため、平成25年度から以下の手順で進めていく。1.ウェブサイト『健康サポートネット』の実施 対象者は、A企業の社員で『健康サポートネット』への参加の意志があり、研究への協力の同意が得られた者300名とする。実施方法は、A企業の定期健診などにおいて、『研究サポートネット』の目的などを説明するパンフレットを配布して対象者を募集する。参加対象者には文書を用いて研究目的・研究方法と倫理的配慮について説明し、同意を得たうえで保健指導を開始する。開始時にウェブサイト操作マニュアルと生活習慣記録器の配布を行うとともに、『健康サポートネット』上のアンケートから対象者の属性と生活習慣などを把握し、改善目標の設定などを支援する。『健康サポートネット』は研究者が情報提供の内容やデザイン、機能、利用状況などを随時点検し更新する。2.ウェブサイト『健康サポートネット』の有効性の検討 『健康サポートネット』による対象者の健康・生活習慣・心理面の改善効果を分析し、成果別に対象者の特徴と利用パターンを比較する。また、電子掲示板における対象者の関係性をネットワーク分析により明らかにし、内容を質的記述的に分析してネットワークが行動変容に与える影響と効果を検討する。これらの結果をもとに、ウェブサイトを用いた健康づくり支援システムと保健指導実践者の支援方法や留意点を提示する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・ウェブサイトの改良、維持管理費用:レンタルサーバ費用、ウェブサイト改修費用、更新・管理についての専門的知識提供者への謝金が必要となる。・対象者の募集、実施にかかる費用:対象者の募集用パンフレットおよびウェブサイト操作マニュアルの印刷費用、対象者用の生活習慣記録器の費用が必要となる。また、有効性を検討するため、データの整理・集計を行う者、ネットワーク分析に関する専門的知識提供者への謝金が必要である。
|