2011 Fiscal Year Research-status Report
集団健診実施場面における産業保健師の行動に関する研究
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23792760
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
原賀 美紀 (三宮 美紀) 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (70325728)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 集団検診 / 実施場面 / 産業保健師 / 行動 |
Research Abstract |
本研究は、事業所に所属する保健師(以下、産業保健師とする)の優れた実践例を素材に、産業保健師への面接、参加観察調査、事業所が実施する健康診査(以下、健診とする)に関わる人々への調査より、集団健診実施場面において、産業保健師が従事することの重要性・価値を構造的に明らかにすることを目的としている。平成23年度は調査実施のための準備として、国内外の報告書や先行研究、資料などから、集団健診実施場面とその場面における保健師活動の現状等を分析し、調査内容の精選、データ分析方法の検討を行った。その結果、集団健診を扱った文献そのものが限られていること、その中でも、乳幼児健診やがん検診についての文献はいくつかあるものの、職域における集団健診を題材にした文献は2~3件であった。さらに、収集した文献の目的や考察の焦点は、健診後の事後指導や、健診受診者の健診満足度、問診票の内容の検討が主であった。さらに、国内の地域看護学、産業看護学、公衆衛生看護学のテキスト等に記載されている「健康診査実施場面における産業保健師の活動」についての記述内容を検討した。その結果、行政機関に所属する保健師の健診実施場面での活動については、いくつかのテキストに記載はあるが、産業保健師の健診実施場面での活動に関する記載は2~3行程度であった。また、健診事業として、企画・計画から事後指導までのプロセスと、健診実施前後の保健師の役割についての記述は見られたが、健診実施場面における保健師の具体的行動や役割としての記述はなかった。これらの結果を受け、さらに、文献収集範囲の拡大し、継続して文献収集と検討を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「産業保健師」「集団健診」「実施場面」等に関する文献が限られており、文献の収集と、調査内容の精選と調査対象者の選定等の調査準備に時間を費やしたため、実際の調査が実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で、文献等で明らかになった内容を再度整理し、その結果を踏まえ、調査実施計画を完成させる。そして、実施の調査やデータ分析の過程から新たな発見や示唆を得ることも多いため、プレテストを実施しながら調査内容や計画の修正を行い、本調査に取り掛かる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
【産業保健師および関係者への調査】集団健診実施場面に従事しており、研究協力の得られた約10名の産業保健師への面接調査により、集団健診実施場面での行動を分析・検討する。その際、これまでの研究成果を枠組みとし、共通点、相違点等を検討する。研究協力の得られた事業所の集団健診実施場面に携わる受診者(従業員)、衛生管理者等の保健師以外の健診担当者、委託健診機関スタッフ等の関係者各2~3名への面接調査またはグループインタビューを行う。これらの調査の分析過程において、解釈の妥当性について対象者へ面接や文章等による確認を行う。【集団健診実施場面での保健師の行動の分析】集団健診実施場面への参加観察により、研究協力の得られた約5つの事業所の保健師の行動の調査と分析を行う。データ分析過程においては、行動の意図や意味の解釈の妥当性について対象保健師へ面接や文書等による確認を行う。【質問紙調査計画の検討】これまでの調査結果を統合し、その関連性から、集団健診実施場面に保健師が従事することの重要性・価値を構造的に明らかにする。これらの研究成果を基に、質問紙の内容・構成を検討し、調査計画を立案する。【国内外の文献収集と分析】平成23年度に引き続き、国内外の報告書や先行研究、調査対象の事業所や他関係機関からの資料により、集団健診実施場面とその場面における保健師活動の現状等を分析し、データの分析方法や検討の資料とする。
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