2013 Fiscal Year Annual Research Report
集団健診実施場面における産業保健師の行動に関する研究
Project/Area Number |
23792760
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
原賀 美紀 (三宮 美紀) 産業医科大学, 産業保健学部, 准教授 (70325728)
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Keywords | 集団健診 / 実施場面 / 特定保健指導 / 保健師 |
Research Abstract |
本研究は、事業所が実施する健康診査(以下、健診とする)場面において、事業所に所属する保健師(以下、産業保健師とする)の優れた実践例を素材に、産業保健師が従事することの重要性・価値を実証する。さらに、労働という場の特徴を踏まえた産業保健師の役割を検討し、健診実施場面での産業保健師の活動指針と活動評価指標を作成することを目的としている。これらは、平成20年度からの特定健診・保健指導の義務化により保健事業委託の加速が予想されるなかでの保健事業の質を保つための委託のあり方を示すことにつながると考えている。調査は、保健師と対象者(労働者)への面接調査と、文献検討を行った。 平成25年度には、健康診査実施場面や特定保健指導に従事している保健師へ、対象者を理解するための観察点や関わりについての面接調査を行った。その結果、以下の2点が明らかになった。①初回(対象者と初対面)の場合保健師は対象者への配慮を基盤に信頼関係の構築を目指した関わりをしている。②保健師は対象者の言語的コミュニケーションである発言内容や非言語的コミュニケーションである声の性質やテンポ、態度等両方の視点から、注意深く観察している。 また、保健師による保健指導を受けた経験があり、現在何らかの行動変容を継続できている男性へ、行動変容・継続につながる要因から保健師の関わりについて面接調査を行った。その結果、「健康を意識する」「自身の健康に関心を持つ」「保健行動を実施するきっかけ」「保健行動の継続」のプロセスに分けられ、それぞれ、対象者の性格や周囲のサポート、専門職からの助言等17個の要因が明らかになった。それらを踏まえ、保健師は行動変容・継続のプロセスを把握し、そのプロセスに応じた関わりが必要である。
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