2012 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおけるポール・ゴーガンの受容とコレクション形成史
Project/Area Number |
23820010
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小泉 順也 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 准教授 (50613858)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | フランス近代美術史 / ポール・ゴーガン / 芸術家受容 / コレクション / 美術館 |
Research Abstract |
研究の最終年度にあたる平成24年度は、ポール・ゴーガンの作品がフランスの美術館に収蔵されたときの背景や議論に関し、主にルーヴル美術館に関わる事例を対象として、2012年8月から9月にかけて、フランスのパリとナントで現地調査を実施した。そこでは特に1959年に実現した松方コレクションの日本への寄贈返還に焦点を絞り、フランス政府が未返還の決定を下した一群の作品に、最多となる4点のゴーガンの油彩画が含まれることになった経緯の解明に取り組んだ。 具体的には、美術館の各種委員会の記録、同時代の新聞雑誌などの一次資料に加えて、ナントの外務省公文書館で、関係者の書簡や議事録、関係法規の集中的な調査を実施した。そこでは、1950年代を通して続いた両国の交渉のプロセスについて、残されたフランス側の資料から再構成を行った。さらに、日本側の資料と対照させる作業を通して、両国の関係者の本音、あるいは温度差や齟齬が部分的に浮き彫りとなり、第二次世界大戦後の日仏文化交渉の一端を歴史的に検証するための、資料的基盤と新たな知見が得られた。 また、各地の作品収蔵の歴史的調査を活かす形で、2012年11月17日の美術史学会東支部例会での討議「コレクションの形成とフランス近代美術」において、「フランス近代美術とコレクション形成-ポール・ゴーガン作品の収蔵をめぐる歴史と交渉」と題した、コメンテーターとしての発表を行い、芸術家受容との関わりのなかで、コレクション形成史を実証的に論じた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)