2012 Fiscal Year Annual Research Report
2段式軽ガス銃を用いた開放系気相化学分析技術の確立
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23840057
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
黒澤 耕介 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 研究員 (80616433)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 原始地球表層進化 / 天体衝突 / 隕石重爆撃 / 衝突蒸発 / 二段式軽ガス銃 / 超臨界流体 / 発光分光法 / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究では初期地球に頻繁に起きていたことがわかっている天体衝突が地球表層進化に与えた影響を理解することを目標としている。昨年度までに宇宙科学研究所の2段式軽ガス銃を用いた衝突蒸発/気相化学分析技術を確立し、天体衝突によって発生する生成気体の種類, 量を計測することができた。今年度はデータをもとにそれらを決定づける物理・化学過程を明らかにし、実験室と現象のスケールが何桁も異なる天然衝突を対応づけるスケーリング則を確立することを目指した。衝撃波伝播、等エントロピー膨張、熱化学平衡を基本とした非常に単純な衝突蒸発モデルを構築し、発生気体量と衝撃圧力の関係を再現することに成功した。この結果は天体衝突で発生する蒸気量は、熱力学的計算によって求まるエントロピー増加量のみで議論できることを意味し、地球史における天体衝突の影響を調べる上で極めて見通しがよくなったと言える。ここまでの成果は国際誌「Earth and Planetary Science Letters」に掲載済である。 この結果を受けて今年度は彗星模擬物質(水氷-有機物-鉱物)を標的として、氷物質の衝突蒸発挙動を詳細に調べる予定であった。第一の標的として純水氷を用いた衝突蒸発実験を行う準備を進めていた。ところが、宇宙科学研究所の高圧ガス使用規制による二段式軽ガス銃の運転停止の影響を受け、中止を余儀なくされた。実験は行えなかったものの、簡便に透明な水氷試料を製作するための専用容器の試作を行った。 本来の目的を達成できなくなったが、数値的に研究を進めることとし、モンテカルロ法を用いて、原始地球への隕石重爆撃を数値的に取り扱う確率論的数値モデルを構築した。我々の研究によって、個々の天体衝突で発生する蒸気量が明らかになったことにより、原始地球に頻発した天体衝突が表層進化に与えた影響を定量的に評価できるようになってきた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Laboratory experiments on crater scaling-law for sedimentary rocks in the strength regime2012
Author(s)
Suzuki, A. S. Hakura, T. Hamura, M. Hattori, R. Hayama, T. Ikeda, H. Kusuno, H. Kuwahara, Y. Muto, K. Nagaki, R. Niimi, Y. Ogata, T. Okamoto, T. Sasamori, C. Sekigawa, T. Yoshihara, S. Hasegawa, K. Kurosawa, T. Kadono, A. M. Nakamura, S. Sugita, and M. Arakawa
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Journal Title
Journal of Geophysical Research Planets
Volume: 117
Pages: E08012
DOI
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[Journal Article] Shock-induced silicate vaporization: The role of electrons2012
Author(s)
Kurosawa, K., T. Kadono, S. Sugita, K. Shigemori, T. Sakaiya, Y. Hironaka, N. Ozaki, A. Shiroshita, Y. Cho, S. Tachibana, T. Vinci, S. Ohno, R. Kodama, and T. Matsui
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Journal Title
Journal of Geophysical Research Planets
Volume: 117
Pages: E04007
DOI
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