2012 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌肺転移形成に関与するエピジェネティック変化の分子機構と治療への応用
Project/Area Number |
23890083
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
藤川 裕之 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (40616091)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 遠隔転移 / microRNA / epigenetic |
Research Abstract |
上皮間葉移行(EMT)/間葉上皮移行(MET)switchは癌の転移ステップにおいて重要なメカニズムの一つと考えられている。microRNA-200 familyはEMTを制御するmicroRNAとして知られているが、どのように転移機構に関与しているのか十分に解明されていない。今回の研究では、原発大腸癌部位においてmiR-200c/miR-141 clusterのpromoter部位のhypermethylationがmiR-200c/miR-141 cluster発現を低下させ、target geneであるEMTの転写因子ZEB-1を発現誘導し、転移の初期現象として原発巣からの癌解離を誘発していることが証明された。一方で、肝転移部位ではhypomethylation によるmiR-200c/miR-141 clusterの発現を上昇させ、METの機構を誘導することで、肝臓における腫瘍増殖に働くことが示された。次にmiR-200cは遠隔転移部位において、高発現である事実をもとに、循環血中におけるmiR-200cを測定することで、遠隔転移(微小転移)を同定できるか否かに関して検討した。その結果、大腸癌患者において血清miR-200cレベルはTNM stageの進行とともに高くなり、有意にstage IV大腸癌で高値を示し、さらに遠隔転移と有意な相関を認めた。興味深い結果として、血清miR-200cは大腸癌患者において独立した予後、再発を規定する因子であった。つまり遠隔部における転移形成に必要なMET現象はmiR-200c/miR-141 clusterのpromoter領域におけるhypomethylationによる高発現によって誘導され、血中に分泌されたmiR-200cは遠隔転移(微小転移)を同定することが可能であり、新規の予後, 再発患者を規定するバイオマーカーであった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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