2012 Fiscal Year Annual Research Report
結核菌感染における免疫抑制受容体PD-1の機能解析
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23890087
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 俊祐 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50609063)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 細菌学 / 感染症 / 免疫学 |
Research Abstract |
研究代表者は、前年度の研究成果から結核菌感染PD-1欠損マウスの病態増悪におけるT細胞の関与を見出した。そこで平成24年度では、本所見を検証するために研究実施計画に基づく実験を行い以下の成果を得た。1) T細胞欠損(RAG2欠損)マウスをレシピエントに用いて、野生型あるいはPD-1欠損マウス由来T細胞を移入し、結核菌を肺感染させたマウスの生存日数の観察を行なった。PD-1欠損T細胞を移入したマウスは、野生型T細胞を移入したマウスと比較して早期に死亡することが分かった。さらに、これらのT細胞をCD4陽性とCD8陽性T細胞に分離し、同様の細胞移入実験を行ったところ、PD-1欠損CD4陽性T細胞の移入によってマウスの死亡を再現できることが分った。2) 前年度の研究成果(PD-1欠損マウス肺におけるIFN-γの産生およびIFN-γ産生性CD4陽性T細胞の著明な増加)に基づき、PD-1欠損CD4陽性T細胞由来の病態増悪因子としてIFN-γの関与を検討した。結核菌感染PD-1欠損マウスにIFN-γの中和抗体を投与し生存日数を観察したところ、PD-1欠損マウスの生存日数が有意に延長することが分かった。また、生存日数の延長は肺の組織傷害の減少と相関し、マクロファージなどの炎症細胞の肺への浸潤およびTNF-αやIL-6等の炎症性サイトカイン産生も顕著に減少することが分かった。以上の結果より、結核菌感染におけるPD-1欠損マウスの病態増悪は、IFN-γ産生性CD4陽性T細胞により惹起されることが明らかとなった。IFN-γ産生性CD4陽性T細胞は、結核感染に対する防御免疫に必須の免疫細胞として考えられてきてた。しかし本研究によって、PD-1というT細胞応答の制御分子を欠損した場合には、宿主に本来有益なCD4陽性T細胞も感染病態の増悪を引き起こしうるという新規の知見が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Two genetically-related multidrug-resistant Mycobacterium tuberculosis strains induce divergent outcomes of infection in two human macrophage models.2013
Author(s)
Yokobori, N., Lopez, B., Geffner, L., Sabio y Garcia, C., Schierloh, P., Barrera, L., Barrera, S., Sakai, S., Kawamura, I., Mitsuyama, M., Ritacco, V., del Carmen Sasiain, M.
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Journal Title
Infection, Genetics and Evolution
Volume: 16
Pages: 151-156
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Cutting Edge: Nitric oxide inhibits the NLRP3 inflammasome.2012
Author(s)
Hernandez-Cuellar, E., Tsuchiya, K., Hara, H., Fang, R., Sakai, S., Kawamura, I., Akira, S. and Mitsuyama, M.
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Journal Title
Journal of Immunology
Volume: 189
Pages: 5113-5117
DOI
Peer Reviewed
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