2011 Fiscal Year Annual Research Report
HIFを介さないVHL制御機構解析による腎癌に対する分子標的治療抵抗性の克服
Project/Area Number |
23890093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 俊成 京都大学, 医学研究科, 助教 (00607749)
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Keywords | 腎細胞癌 / 抗血管新生療法 / VHL / JunB / CCL2 / EphriaB2 |
Research Abstract |
1)臨床検体75例におけるCCL2免疫染色 VHL変異を有する淡明型腎細胞癌症例ではVHL野生型に比べCCL2の発現増強を認めた。 現在、EphrinB2についても免疫染色を施行中である。 2)VHL変異型腎癌細胞株(786-O/A498)におけるEphrinB2およびccL2発現解析 VHL変異型腎癌細胞株(786-O/A498)に野生型VHLやHIFを発現したクローンを用いて、EphrinB2およびCCL2の発現について解析した。 EphrinB2に関して、VHL wild (786-O+VHL, A498+VHL)でその発現が抑制され、HIF wild (786-O HIE, A498+HIF)で発現増強していることが確認され、VH-dependent, HIF-ndependentに制御されていることが示唆された。 CCL2に関しても、VHL wild (786-O+VHL)でその発現が抑制され、HIF wild (786-O+HIF)で発現増強していることが確認され、VHL-dependent, HIF-independentに制御されていることが示唆された。現在、他の細胞株での解析を施行中である。 3)VHL変異型腎癌細胞株におけるEphrinB2およびCCL2発現抑制および強制発現による影響 CCL2高発現株(786-O)においてshort hairpin RNA (shRNA)を用いてCCL2発現抑制株を作成した。in vivoヌードマウス皮下移植モデルにより、腫瘍の増殖が抑制されることが確認された。 現在、CCL2強制発現株およびEphrinB2発現抑制株/強制発現株を作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EphrinB2およびCCL2が腎癌細胞株において、その発現がVHL-dependent, HIF-independentに制御されていることが示唆された。 in vivo実験において、CCL2発現抑制株からのxenograftの結果から、CCL2の発現が腫瘍増生に影響することが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体におけるEphrinB2免疫染色や、腎癌細胞株を用いてVHLおよびHIF statusによるEphrinB2やCCL2発現解析を行う。 腎癌細胞株を用いてEphrinB2およびCCL2の強制発現株/発現抑制株を作製し、in vitroおよびin vivoにおける影響を確認する。 腎癌細胞株で作成したヌードマウス皮下移植モデルに対してEphrinB2やCCL2と拮抗する薬剤を用いてその治療効果を判定するとともに、既存の分子標的治療薬との併用、あるいは耐性克服の可能性を検討していく。
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