2012 Fiscal Year Annual Research Report
強化型炭酸アパタイト骨置換材の細胞応答性と生体吸収性
Project/Area Number |
23890156
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松元 歌奈子 九州大学, 大学病院, その他 (10614315)
|
Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
|
Keywords | 生体材料 / 炭酸アパタイト / 破骨細胞性吸収 / 骨置換 / 強化 |
Research Abstract |
昨年度、強化型炭酸アパタイトブロックの生体親和性・生体吸収性の調査のために破骨細胞を用いた細胞実験を行ったところ、試料への破骨細胞の接着・伸展、破骨細胞吸収窩を認め、統計学的有意差はなかったものの、従来型炭酸アパタイトに比べて強化型炭酸アパタイトでは破骨細胞性吸収の遅延が起こる傾向が認められた。細胞実験の結果から、動物実験における強化型炭酸アパタイトの破骨細胞性吸収には当初の予測よりも長い時間がかかる可能性が高いと判断し、昨年度末より今年度にかけて10週齢オスSDラットの頭蓋骨への試料埋入を随時行った。埋入した試料は、対照群として優れた生体親和性と骨伝導性を併せ持つ一方で破骨細胞性吸収を受けない焼結ハイドロキシアパタイトブロックと生体親和性・骨伝導性・生体吸収性を併せ持つ従来型炭酸アパタイトブロック、目的試料として強化型炭酸アパタイトブロックを用いた。埋入後8週までは麻酔下でのμCTでの撮影が可能だったため継続的な画像評価を行ったが、ラットの成長に伴いμCTでの撮影が困難となり、埋入後5週、35週、70週での組織学的評価を行うこととした。組織標本でアパタイトが維持されるように非脱灰凍結切片の作製を行うため、専用フィルムとタングステンブレードを用いる川本法を採用し、HE染色とトルイジンブルー染色により評価を行った。すべての試料に骨伝導性を認めた一方、生体吸収性を持たないハイドロキシアパタイトでは試料の吸収が起こらず密度変化が認められなかったが、従来型・強化型炭酸アパタイトでは埋入後の期間が長くなるほど試料の辺縁からの吸収と試料の密度低下が認められた。また、従来型・強化型炭酸アパタイトでは試料表面の一部に破骨細胞とハウシップ窩と思われる像も認められた。現在はこれらの結果を基に、学会発表及び論文の執筆を準備している段階である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)