2012 Fiscal Year Annual Research Report
貧困を背景に持つ児童虐待に対する保健師の介入法の確立
Project/Area Number |
23890179
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
馬場 文 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 助教 (40616207)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 児童虐待 / 貧困 / 保健師活動 |
Research Abstract |
本研究は、児童虐待と貧困との関連性に着目し、貧困家庭にみられた児童虐待事例に対する保健師活動を分析し、貧困を背景に持つ児童虐待事例に対する保健師の介入法を構築することを目的とした。【平成23年度】児童虐待事例を担当する市町村保健師8名を対象に半構成的面接(対象者1名につき1時間程度)を実施した。聴取内容は、①事例の概要②事例に関わった経過と具体的な支援内容である。面接内容は、対象者の了解のもと録音し、逐語録を作成した。【平成24年度】平成23年度に得たデータの分析を実施した。分析方法は、木下康仁の開発した修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いた。分析の結果生成されたカテゴリー間の関係から、保健師が貧困を背景に持つ児童虐待事例の養育者と継続的な関係を構築する過程は、①事例との出会いの段階②養育者との関係の進展が実感できない段階③ありのままを受け止め理解しようとする段階④生活に入り込み具体的な支援を行う段階⑤養育者との継続的な関係が進展していく段階、以上5段階に大きく分けられた。そして、この5段階すべての過程において保健師が意識していることは、①子どもの生命を第一に考えること②養育者の背景を理解すること、の2つがあることが明らかになった。【平成25年度】研究成果について学会発表を行い、また、保健師の介入方法のあり方について再検討した。【まとめ】保健師が貧困を背景に持つ児童虐待事例の養育者に対して行う支援内容は、①ありのままの実態をまず受け止め、養育者の背景や苦労に共感すること②根気よく長期間関わり続け、養育者の社会的・心理的孤立を防ぐこと③養育者に寄り添いながら、生活に直結する課題の改善を具体的に図ること、の3点に大きくまとめられた。そしてこれらの支援は、時間をかけた家庭訪問の中で、児童虐待事例の家庭に顕在・潜在する問題を丁寧に見極めた上での実践である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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