2023 Fiscal Year Annual Research Report
Data co-creation living lab to create with-virus living behavior in a multi-context social network.
Project/Area Number |
23H00503
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大澤 幸生 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20273609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川原 英理 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (00453035)
坪倉 正治 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20527741)
村田 忠彦 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (30296082)
倉橋 節也 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (40431663)
近藤 早映 三重大学, 工学研究科, 准教授 (40805595)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 多重文脈性 / ウィズウィルス / 社会ネットワーク / リビングラボ / にぎわい / データ共創 |
Outline of Annual Research Achievements |
各種のコミュニティの活動を多重の文脈として扱う社会ネットワークモデル(Network Slice Model:NSMと略)を開発し、文脈多重性を有する社会におけるウイルス感染拡大とその社会的影響のシミュレーションを実行し、共創的リビングラボにより生活行動ガイドラインを導き実践するプロセスを確立する。
大澤は、村田による全国の各都道府県の合成人口データを用いて各地点に住む人物の属性を設定し、NSM上でのコロナ感染拡大シミュレーションに反映させた。さらに村田は、自身が開発してきた合成人口データに、動的な人の間行動の情報を含めて拡張している。現時点では、従来の合成人口テータを反映して大澤はシミュレーションを行っている。下川原は、コンテキストセンシング手法を援用して心的な影響を与える文脈の分析を行う予定であったが、初年度はデータ可視化によりオフィスの印象評価や席配置の検討を行い、人流等とその可視化に基づいて、生活環境における心的コンテキストを検出する技術を構築をめざしている。倉橋は、主要な経済主体をカバーする多重文脈のマルチエージェント社会・経済モデルを構築した。生活&経済→感染という一方向ではなく、感染を原因とする逆方向のプロセスも含む点で計画を超えた進捗を得ている。医学の観点からは坪倉が、日本在住のワクチン未接種者を対象とした本オンライン調査により、感染症対策は対象者、躊躇する理由、具体的な状況に応じて慎重に調整されるべきであることを明らかにした。
以上の研究を進展させ、ウィズウィルス生活時代において「文脈」の多重性を考慮するという視点を取り入れた政策形成を行うため、既存のリビングラボの在り方を調査することによって近藤はリビングラボの効果を検討しており、リビングラボの「にぎわい性」すなわち多様な意見を許容し合う性質そのものが参加者の魅力となっていることなどを見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
大澤は、村田による全国の各都道府県の合成人口データを用いて各地点に住む人物の属性を設定し、Networkd Sliceモデル上でのコロナ感染拡大シミュレーションの結果を内閣官房等を経て広く国民に伝えており、進捗は順調である。さらに、感染と関連する個人の属性や所在地、各種行動の文脈を学習する手法として、Semantic Cellsなる遺伝的アルゴリズム準拠の計算モデル開発にも着手した。下川原のコンテキストセンシング手法を援用して心的な影響を与える文脈の分析を行う予定については、下川原の発展的な方法変更(上記)により今後に持ち越すが、むしろ方針の改善といえる。大澤らも扱っている人流データに近い可視化に基づき生活環境における心的コンテキストを検出する技術の開発をめざすため、コラボにおける連結性が高まり今後の成果に一層のボリューム感が期待できる。さらに、村田が合成人口データ研究を、動的な人間行動の情報を含めて拡張していることは、生活の改善をめざす本研究にとっても順調な進捗と言える。
倉橋は、主要な経済主体(消費者、事業者等を含む)をカバーする多重文脈のマルチエージェント社会・経済モデルを用いたシミュレーションの結果、本研究における「生活の文脈」と感染や生活などの状況の間の双方向のインタラクションを扱う枠組みに達してきた点で、順調あるいはそれ以上の進捗といえる。また坪倉の成果は、医療現場における調査研究から、感染症対策は対象者とその具体的な生活文脈に応じて慎重に調整されるべきことを示しており、計画通りの進捗である。
以上のような成果をベースとして政策形成を行うため、近藤は既存のリビングラボの現状調査から、多様な意見を許容し合うリビングラボの「にぎわい性」が参加者にとって魅力となっていることを見出すなど、リビングラボのパフォーマンス測定指標の開発にも繋げてゆく可能性も高まった。
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Strategy for Future Research Activity |
大澤は、村田とのコラボレーション部分をさらに発展させる目的も含めて、個人の属性や所在地が生活における文脈に与える影響を学習し、感染と関連する各種行動の文脈を抽出する手法として、Semantic Cells(意味の細胞)なる遺伝的アルゴリズム準拠の計算モデル開発にも着手した。さらに、村田は、従来において自身が研究を推進してきた合成人口データに、動的な人間行動の情報を含めて拡張している。現状では従来の合成人口テータを反映して大澤はNetwork Sliceのシミュレーションを行っているが、今後は動的な要素を加味し、シミュレーションの「精度」ではなく「意味」に厚みを持たせてゆく指針である。
また坪倉の研究に基づいて、対象者、躊躇する理由、具体的な状況に応じて調整されたウィズコロナ対策を反映したシミュレーションを試みる。さらに、倉橋からは、主要な経済主体(一般消費者、ビジネスピープルを含む)をカバーする多重文脈のマルチエージェント社会・経済モデルを元に、文脈ことの生活&経済→感染および感染→経済&生活という両方向のインタラクションを盛り込んだモデルを検討する。下川原の研究を発展させることにより、人ごみや人流等とその可視化に基づいて、生活環境における心的コンテキストを検出する技術の構築を期待している、
以上の研究をベースとして、近道は、政策形成を行うためのリビングラボの魅力である「にぎわい性」すなわち多様な意見を許容し合い収集する性質を測定し、これを高める手法を大澤とともに開発することによって、リビングラボのパフォーマンス測定指標の研究開発も並行して進めてゆく。
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[Journal Article] Diminished neutralizing activity against the XBB1.5 strain in 55.9% of individuals post 6 months COVID-19 mRNA booster vaccination: insights from a pseudovirus assay on 1,353 participants in the Fukushima vaccination community survey, Japan2024
Author(s)
Zhao T, Tani Y, Makino-Okamura C, Takita M, Yamamoto C, Kawahara E, Abe T, Sugiura S, Yoshimura H, Uchiyama T, Yamazaki I, Ishigame H, Ueno T, Okuma K, Wakui M, Fukuyama H and Tsubokura M
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Journal Title
Front. Immunol.
Volume: 15
Pages: 1337520
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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